高崎線がまた運休、相次ぐ「信号トラブル」 3月には漏電火災で2日以上運休も

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JR東日本ウェブサイトの運転状況では、9時前には「運転再開は10時00分頃」と表示していたが、その後10時30分に再開見込みが繰り下がり、さらに11時20分に「新たな故障箇所が発見された」との情報が掲載され、再開見込みの時刻は二転三転した。

高崎線の運転見合わせに伴い、高崎ー東京間はで、特急券なしでも上越・北陸新幹線を利用できる振替輸送を実施したほか、駅が多くの利用者で混み合ったため、駅の入場規制を実施。午後1時の段階では上尾・北上尾・桶川の3駅で規制を行っていた。

高崎線で相次ぐ信号トラブル

JR高崎線では今年に入り、信号関係のトラブルによる運休が相次いでいる。3月15日未明には、籠原駅構内で発生した漏電による火災で信号機や列車の制御装置などが焼け、熊谷ー本庄間が終日運休、熊谷ー岡部間は17日の午後まで全面的に運休するという、異例ともいえる大規模なトラブルがあった。

この際の原因は、電線の碍子(がいし)が老朽化して破損し、大きな電流が漏れたためだった。JR東日本はその後、首都圏にある同タイプの碍子の緊急点検を実施した。

また、5月にも籠原駅で信号機が赤信号のまま切り替わらず、運転を見合わせるトラブルが3件発生した。これらのトラブルはほとんどが朝方に発生しており、沿線の通勤・通学に大きく影響した。高崎支社によると、5月に起きた信号トラブルと今回のトラブルは「関連はない」という。

高崎線で相次ぐ信号トラブル。埼玉県・群馬県と都心部を結ぶ大動脈である同線は、振替輸送ができる他路線も限られており、沿線住民の依存度は高い。多発する列車の運行障害に、JR東日本の運行施設管理に対する姿勢が問われる。

小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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