「ポスト石川遼」へ、シニア向け再強化 ヨネックス、契約終了でゴルフ大苦戦

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シニア向け「飛ぶクラブ」のイメージ復活をもくろむ

ヨネックスはもともとゴルフ用品市場では、シニアが飛距離を出せる「飛ぶクラブ」で知られたメーカー。ゴルフ用品の売上高はピーク時の02年3月期には、前13年3月期の3倍以上にもなる年商51.7億円にまで達していた。

が、若手ゴルファーの一番手である石川選手と契約してからは、ウエアなどアパレルのブランド力は飛躍的に高まったものの、本来強みを持っていたシニア向けゴルフ用品のブランド力では弱まった面もあった。

そのシニア向けを今一度仕切り直して強化しようというのが、ヨネックスの今後のゴルフ用品事業における主戦略。新製品「i-EZONE」も、若手ゴルファーではなく40~50歳代を中心に60歳代のゴルファーまでをターゲットに置いて、シニア向けに強いヨネックスのイメージ復活をもくろんでいるとみられる。

今期は営業利益3割増のV字回復狙うが…

ヨネックスは今2014年3月期の業績見通しについて、売上高が前期比4.9%増の405億円、営業利益が同32.8%増の11億円とV字回復を狙う。

主力のバドミントン用品は、昨年夏のロンドン五輪で日本チームが初のメダル(銀)を獲得した余韻などもあり、テニス用品なども含め、国内・海外市場とも堅調が続く見通し。ただ、カギを握るのは、やはりゴルフ用品事業の立て直しだ。

国内ゴルフ営業担当の山本取締役はこう強調する。「石川選手との契約でゴルフウエアが伸びたのは事実で、今期も大幅ダウンは間違いない。一方、ゴルフクラブについては、ヨネックスの製品はカーボン複合ヘッドやオリジナルシャフトの2点で、海外メーカーとの価格競争が厳しくなっても差別化が図れる」。

「ポスト石川遼」として、シニア向けを中心にどこまでゴルフ用品事業を立て直せるか。ヨネックスが今期、営業利益の大幅回復を果たせるかどうかはそこに懸かっている。

(撮影:梅谷 秀司)

大滝 俊一 東洋経済 記者

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おおたき しゅんいち / Shunichi Otaki

ここ数年はレジャー、スポーツ、紙パルプ、食品、新興市場銘柄などを担当。長野県長野高校、慶応大学法学部卒業。1987年東洋経済新報社入社。リーマンショック時に『株価四季報』編集長、東日本大震災時に『週刊東洋経済』編集長を務め、新「東洋経済オンライン」発足時は企業記事の編集・配信に従事。2017年4月に総務局へ異動し、四半世紀ぶりに記者・編集者としての仕事から解放された

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