「GitHub」の働き方革命は何がスゴいのか? アップル、LINEが採用した「未来の働き方」
経済、金融情報を配信するブルームバーグでEngineering Developer Experienceを務めるパンナ・パヴァンガカー氏は、同社で開発者に対するよりよい環境を整備する役割を担っている。同氏も、投資銀行でエンジニアとして働いていた経験を持ち、「金融業界の開発者はGitHubを社内利用している例が多い」と説明する。
「ブルームバーグでは、世界中に5000人の開発者がいます(※エンジニアやプログラマーではなく、デベロッパーと呼ぶことを強調していた)。ニューヨーク本社、サンフランシスコ、ロンドン、日本、オーストラリア、中国、インドなどの拠点で、非常に速いスピードで、さまざまな経験を積んだ人々が携わっています。
ブルームバーグは、情報というよりは、金融に関するテクノロジーを提供している企業で、もともと、イノベーションを起こす土壌があるフラットな組織を持っていました。GitHubを導入し、社内の文化を整理することができました」(パヴァンガカー氏)
たとえば、2人で同じプログラムを作ろうとしている場合、そのことを知って助け合えば、ひとつのよりよいものを作り出して、共有することができる。パヴァンガカー氏は、そうした開発者をGitHubで監視しているのではなく、活動をオープンにすることで、新たなコラボレーションによる効率性を、見つけ出せるようにしているという。
「お互いの取り組みがわかると、そこにゲーム性も生まれます。同僚と競い合いながら開発を進めることで、持続的な楽しみを作り、また多くの開発者の参加を促すことができます。そのため、オープンさが持続して広がっていくのです」(パヴァンガカー氏)
ホワイトハウスがGitHubを利用する理由
GitHub Universeの基調講演で印象的だったのは、ホワイトハウスがGitHubを利用していると紹介された点だった。ホワイトハウスでテクノロジー補佐官を務めるアルヴァンド・サーレヒー氏は、2012年からGitHubでオープンソースに関するプロジェクトの成果を強調する。
「ホワイトハウスでは、プログラムに対して、毎年、42000の購買と60億ドルの費用をかけてきました。しかも、中には、同じプログラムに何度もお金を払っていたのです。そこで、まず、コードの再利用を促進させました。これによって、重複したコストを支払う必要がなくなりました」(サーレヒー氏)
たとえば、政府のウェブサイト向けに作られたアクセス解析プログラムをオープンソース化することで、地方政府もウェブサイトに組み込むことができるようになった。国全体のテクノロジーに対する投資コストを圧縮することができる活動として注目している。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら