電子部品産業、「紛争鉱物」対応に苦心 鉱物調達先の明確化が求められる
テレビやパソコンなど民生品の生産量減少、大幅増を見込んだアイフォーンの伸び悩みなどにより2013年3月期の業績下方修正が相次ぐ電子部品業界。新年度もデジタル家電の落ち込みが続き、明るい兆しはない。そうした中で、部品各社は新たな難題に直面している。電子部品に不可欠な鉱物へのトレーサビリティ強化の動きだ。
足元でまさに対応を迫られているのが「紛争鉱物」への対応。紛争鉱物とは、コンゴ民主共和国(DRC)とその周辺国(ルワンダなど9カ国)で産出されるタンタル、タングステン、スズ、金の4鉱物を指す。DRCでは1998年以降に民族対立で500万人以上の死者が発生。この中で、4鉱物が虐殺を行った武装勢力の資金源になっていることを、米国の市民団体などが問題視。昨年8月に採択された金融規制改革法ドッド・フランク法改正では、製品に使用している4鉱物の原産地を米国証券取引委員会(SEC)に報告する義務がすべての米国上場企業に課せられることになった。今年1月に始まる決算期からが対象だ。
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