全体の8割、「知人から」の性暴力のつらい実態 非は加害者にあるのに、自分を責めてしまう

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――被害からある程度時間が経ち、気持ちが落ち着いた後に、「加害者を訴えたい」と相談に来る人もいるのでしょうか。

はい。時間が経てば経つほど証拠がなくなるので、被害の立証は難しくなりますが、訴えることで相手が犯行を認めるケースもあります。まずは弁護士に相談していただいて、何かできることを一緒に探していければと思います。

自分のパートナーが被害に遭ったとき

――もし、友人や恋人など身近な人が被害に遭った場合、どのように接するべきでしょうか。

できるだけ普通に、今までと変わりなく接することが大切です。いつでも話して大丈夫だよ、という姿勢も示すといいでしょう。ただし、話を聞く際は、被害者が話したこと以上に根掘り葉掘り質問することは避けてください。

難しいのは、恋人が被害に遭った場合の接し方ですね。彼氏としては、自分の彼女にひどいことをした加害者への怒りが膨らむあまり、「警察に行って相手を訴えよう!」などと強く言ってしまいがちです。

本来ならばできるだけ早く警察や病院に行かれるとよいのですが、被害を受けた本人としては、「そっとしておいてほしい」と思っていることが少なくありません。なかなか行動を起こさない彼女に対して、彼氏が「なぜ何もしようとしないんだ」と戸惑うことで2人の関係がぎくしゃくし、被害者にさらにダメージを与える可能性も考えられます。

被害者の話や今の状況を聞いて、もしくは、話したくないようであれば無理に聞き出そうとせず、そっとしておくことが何よりも大切だと思います。

望月 晶子(もちづき あきこ)弁護士
慶應義塾大学経済学部卒業後、大手総合商社勤務の後、平成12年弁護士登録。多くの犯罪被害者を支援した経験から、性暴力被害者に対し、医療、心理、福祉等の総合的サポートを提供したいと、2012年にNPOレイプクライシスセンターTSUBOMIを設立して活動している。
事務所名:諏訪坂法律事務所

 

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