楽園ハワイ、3年後に迫る「価格競争」の熾烈 JALの牙城を航空各社が虎視眈々と狙う

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

同社のハワイ線は他社同様に需給が逼迫しており、マイレージと交換できる「特典航空券」を発行する余地がない。座席数が増えれば、普段出張でマイレージをためているビジネスパーソンが休暇でハワイに向かう、ということが可能になる。結果として顧客の囲い込みにつながる。

「大型機ならではの自由度の高さで新しい仕掛けを考えている」と語る辻氏。今のところ明らかになっているのは、富裕層を意識したファーストクラスの導入。

別荘を持ち毎年何度も行くような層を狙い、またマイレージを利用したアップグレードの需要も少なからずあるという。

ただ、A380で供給量が急増すれば当然、価格競争に陥ることも予想される。「若い人を中心に、海外旅行が増えるのであれば、望ましい部分もある」(辻氏)。

格安航空会社も参入準備を進める

これに対して、JAL国際路線事業部の脇坂知宏氏は「価格競争に挑むことはない」と言い切る。ファーストクラス導入も検討しつつ、座席の幅や間隔を広げたり、ビジネスクラスの座席を増やすなどの高級化によって、収益を確保する方針だ。

価格競争を引き起こすのはANAだけではない。現在、複数のLCC(格安航空会社)がホノルル線参入を検討し、すでにエアアジアXは関空─ホノルル線を米運輸省に申請済み。路線開設に向けた準備を進めている。

人気が過熱するドル箱のハワイ路線。航空各社の激しい競争によって、一段と需要は盛り上がりそうだ。

中川 雅博 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事