韓国が嫌う「稲田防衛相」という"劇薬"の効能 安倍改造内閣の目玉人事は吉と出るか
実際に8月2日の会見で、石破氏はこう述べている。「自由民主党というものが多様な意見があるということは大事なことであり、そのために自分がなすべきことは何なのかという思いがある」。
これは内閣外に出た後、安倍政権に不満を抱く党内の声の受け皿となるという宣言とも読みとれる。そうした石破氏の動きを牽制するためにも、安倍首相は山本氏に農水相に就任させることを判断したとも考えられる。
なぜ丸川珠代氏が五輪担当相になったのか
丸川珠代氏の五輪担当相起用は、小池百合子東京都知事への牽制と言えるかもしれない。
丸川氏は安倍首相のスカウトにより2007年の参院選に出馬した安倍チルドレン。安倍首相の政治復活のきっかけになった2012年9月の総裁選では、自民党東京都連所属ということもあって石原伸晃氏の推薦人に名前を連ねたものの、「子育て中」との理由で実際には動くのを避けた。
丸川氏の特徴はその言動。2010年5月21日には、参院本会議で演説中の鳩山由紀夫首相(当時)に対して、「ルーピー」と野次を飛ばした。
また都連が増田寛也氏を擁立した知事選では、小池氏を「スタンドプレーはできるけど、チームプレーできない。そういう人は都知事にしなくていい」と激しく批判もしている。すなわち丸川氏は腹芸ができず、ストレートに表現してしまうのだ。
これに対して小池知事は「よく存じていないが、それぞれ立場があるのだろう」と大人の対応を見せ、丸川氏も3日の会見で「大会成功のため、できることは何でもやっていきたい」と神妙に述べた。ただ丸川氏はオリンピックを、東京のみならず国の重要イベントとしてとらえており、小池氏と意見が分かれる時には、国側の立場で踏み込んでくる可能性も否定できない。その背後に安倍首相の意向があればなおさらのこと。安倍首相にとって扱いにくい小池知事を牽制する道具としてはもってこいだといえる。
さて今回の改造の目玉は、なんといっても稲田朋美氏の防衛相起用だろう。稲田氏は第2次安倍内閣で規制改革担当相に就任。この時に大臣に起用された女性は森まさこ男女共同参画等担当相と2人だったが、森氏の起用は2013年の参院選で減数区となる福島選挙区で改選を迎えるための“選挙対策”。その後に継続しての入閣などはない。
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