日経平均は反落か、上値追いかの分岐点に 1万1468円で引け、昨年来高値を更新

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 20日の日経平均株価は、前日比95円高の1万1468円28銭で引け、2月6日につけた昨年来高値の1万1463円を小幅に上回った。とはいえ、その差は5円ほどであり、「突破」よりは「並んだ」という表現の方が適切かもしれない。

休場明けの米国株が堅調だったことや、貿易統計の大幅赤字を受けた円安進行で、20日の日経平均は上昇。しかし、東証1部の概算売買代金は1兆8543億円と3営業日連続で2兆円割れとなり、市場エネルギーは乏しくなっている。21~22日の安倍晋三首相の訪米、24~25日のイタリア総選挙、月内の日銀次期総裁候補の提示という重要イベントを控えて、市場は様子見ムードになっている。

ちなみに日経平均が1万1463円で引けた2月6日の東証1部の概算売買代金は2兆8190億円と今年最大であった。裏を返せば、この価格帯で高値づかみをした投資家も多く、やれやれの戻り売りが出やすい水準でもある。

日本時間の夜に取引される米国株式市場の結果次第で、21日の日経平均は明確に1万1500円水準を突破してくる可能性もある。一方、出来高が少ないようなら、一転して売りに押される場面も考えられる。

これから月末にかけては先述の重要イベントをこなしながら、1万1500円水準で頭打ちとなるか、上値追いを再開できるか、見極める時期といえそうだ。

「株式ウイークリー」編集長 藤尾 明彦

 

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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