通販は「欲しくさせる」ためにここまでやる なぜ高くても「買ってしまう」のか?
新聞広告や折り込み、テレビ番組で紹介される「通販商品」。なんだか「良いもの」のように思えて、通常よりも価格が高いのに、思わず買ってしまった経験はないだろうか。
その裏には、実はさまざまな「売る」ための工夫があるという。大手広告代理店ADKで通販ビジネスの立ち上げや成長支援を行ってきた経験を基に『通販ビジネスの教科書』を上梓した岩永洋平氏が、その工夫を解説する。
通販商品は値段が高いのに売れている
香川県小豆島に「井上誠耕園」という会社があります。3代にわたるオリーブ農家であり、通販で急成長している農業生産法人です。主力商品は、オリーブオイルを原料とする食品と化粧品です。同社の人気商品「エキストラヴァージン完熟オリーブオイル」は180g入りで1296円(税込)。送料が500円かかりますので、合計約1800円です。
皆様は、これを高いと思うでしょうか、安いと思うでしょうか。試みに、ネットスーパーで味の素の「オリーブオイル エクストラバージン」200gの値段を調べたところ、343円(税込)でした。
そうです。井上誠耕園のオリーブオイルは高いです。はっきり言って、すごく高いです。
消費者の多くは「味の素」という食品メーカーを知っており、ゆるぎない信頼感を抱いています。味の素が提供するオリーブオイルなら品質が良いと思っていますし、安心して買える商品だとも思っています。
でも、味の素のオリーブオイルは200gで350円程度であり、それ以上の値段ではないと考えています。
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