三菱自動車「ミラージュ」の誤算 「リコール問題」以前から国内販売に漂う暗雲

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EVは高い価格や充電インフラの問題などがあり、販売台数を稼げる車ではない。そのため、三菱自は、日産自動車やスズキから立て続けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受け、タマ不足に対応してきた。ただ、バリエーションを広げても、販売力で勝る本家がある以上、積極的に三菱自の販売店で購入する消費者は少数派。OEM車では国内販売に勢いをつけることは難しかった。

自動車会社にとって、新型車の存在はそのモデルそのものを販売するということだけでなく、販売店に客を呼び込むカンフル剤にもなる。それだけにミラージュには、三菱自の国内販売網に大きな期待があった。三菱自は12年10月時点で、12年度の国内登録車(軽自動車を除く)販売を7.7万台と計画。ミラージュは発売時点で12年度目標を3万台に定めていたことから、国内登録車販売の約4割を占める算段だったはずである。

出足の勢いはすぐに失速

実際、ミラージュは発売直後の9月には4483台を販売し、自動車業界団体が発表する車名別販売台数で14位にランクインするなど、上々の滑り出しを見せた。

ところが、勢いはみるみる落ちる。10月には3054台(同15位)、11月には2467台(20位)へと低下。12月は1359台まで下がり、車名別のトップ30ランキングから「ミラージュ」の名は消えてしまった。

発売開始から12年12月までの約4カ月間の累計登録台数は1.3万台程度。単純に平均すると月販3300台ぐらいだ。発売時点における13年3月末までの販売目標3万台を達成するには、残る3カ月を月販5600台以上のペースで推移しなければならない。

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