不二家、“どん底”からの復活

収益改善で8年ぶり復配

復活劇に潜むのは、今や不二家の親会社となった山崎製パンだ。

不祥事を受けて経営危機に見舞われた不二家は、07年春、山崎製パンと資本・業務提携を結ぶとともに、第三者割当増資を経て山崎製パンの持分法適用会社(当時の出資比率は35%)となった。

両社の関係はその後、さらに深まる。08年に不二家が再び実施した第三者割当増資を経て、山崎製パンの出資比率は過半超まで高まった。それ以後、不二家は山崎製パンの連結子会社となった。

最大の“弱点”を改善

この山崎製パンへのグループ入りが、不二家が抱えていた最大の“弱点”を改善するきっかけとなった。ケーキやシュークリームなどの洋菓子である。

不二家は直営とFC(フランチャイズチェーン)による自社ブランドの洋菓子店を、全国で展開する。ペコちゃん人形が店頭に飾っている光景はおなじみだろう。消費者が最も不二家を想起するビジネスでありながら、これこそが儲からない事業構造を抱えていた。02年以降、部門別の赤字が続いた。

山崎製パンのグループに入るまで、不二家は洋菓子の販売を自社ルートにほぼ依存していた。これが不振の最大要因。当時からジワジワと広がっていたのが、コンビニエンスストアで販売される洋菓子、つまりコンビニスイーツだった。コンビニが店舗数を拡大するとともに、スイーツの商品レベルを上げていく中で、不二家のような洋菓子店はその牙城を少しずつ切り崩されていった。不二家も対抗策をいろいろと模索したが、決め手には欠けていた。

光明を差したのが製パン最大手の山崎製パンが持つ、コンビニやスーパーへの強力な販売ルートだ。不二家は山崎製パンの力を借り、かつてのライバルであるコンビニやスーパーへ洋菓子の販路を拡大していく。

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