「将来が不安=保険」は完全に間違っている 加入を固辞し続けた元ニッセイ職員が語る

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当時、保険に入らない社員は極めて珍しい存在でした。しかし、モノでもサービスでも、自分に必要がないのであればおカネを払う必要はないと私は考えていました。

重要なのは保険に入ることではなく、「リスク対策」をすることなのです。

「三大疾病」の保険には入っていた

では、20~30代の若い人にはどんなリスク対策が必要なのでしょうか。
おカネの面から見ると、若い人にとってのリスクは三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)のような大きな病気です。

日本人の死因を見ると、三大疾病による死亡が53.6%と2人に1人を超えています。このリスクは若い層でも同じで、20代、30代の死因も、自殺と不慮の事故を除けば、これら3つが死因のトップです。

また、三大疾病の中でも死因の順位が高いがん(国内では1分29秒に1人ががんで亡くなっています)についても、若いうちから定期的にがん検診を受ける人もいますが、一般的には40歳くらいになってから受ける人が多いのではないでしょうか。

若いからといってがんの進行スピードが早くなるわけではありません。ただし、がんには進行が早いがん(低分化腺がん)と遅いがん(高分化腺がん)があり、若い人は進行が早い低分化腺がんにかかりやすい傾向があります。そのため、若いうちは大丈夫、40歳を過ぎても忙しさにかまけて病院に行けず、会社の定期健診のみという方もいるのではないでしょうか。そうこうしているうちに、がんが進行してしまっているケースがあります。

日本生命に勤めながらも、効率的なリスク対策を求めて保険を避けてきた私が生命保険の必要性を感じ最初に加入を決めたものが、この三大疾病の保険です。三大疾病を患うかどうかはわかりませんし、高齢者と比べれば確率は低いでしょう。しかし、仮にそうなった時には経済的に大きな打撃を受けます。そういうリスクの対策にこそ生命保険に加入する意味があるのです。

おカネについてもう少し具体的に見てみましょう。

まず治療にかかるおカネの総額(平均)を見てみると、がんが約473万円、脳卒中が849万円、急性心筋梗塞が約533万円となっています。これだけのおカネを、収入・貯蓄額ともに低い若い世代が準備するのはけっこう大変でしょう。

公的な医療保険には高額療養費制度があり、一定額を超えて払った分は戻ってきます。しかし、対象となるのは治療費で、治療以外にかかる費用は自己負担です。

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