焦点は生活保護と地方公務員給与のカット 大詰めの2013年度予算編成

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13年度予算は、前回の大規模な補正予算とは打って変わって、「15年度までに基礎的財政収支の赤字半減、20年度までに黒字化」の国際公約を堅持するべく、「財政規律」側に軸足が置かれることになりそうだ。

「新規国債の発行額を税収以下に抑える」。麻生財務相が示した大目標を実現するには、歳出の削減は避けて通れない。

焦点は生活保護の切り下げと地方公務員給与の削減

14年4月に8%への消費税率引き上げを控えているとはいえ、それまでは税収を現状から大きく引き上げて見積もることは現実的でない。緊急経済対策の効果で多少、税収が増えることを織り込んだとしても、誤差の範囲だろう。

財政審の意見書は、歳出抑制の課題をずらっと列挙。24日に閣議決定された13年度予算編成の基本方針でも、「予算の大胆な重点化を進める」として、具体的な歳出削減メニューが盛り込まれた。税収の若干の積み上げと、現状できうる限りの歳出カットの微妙なバランスの中で、税収>新規国債発行額の形をなんとか達成する流れだろう。

そこで、最大の焦点になってくるのが、生活保護費の切り下げと地方公務員の給与削減だ。13年度予算編成の基本方針原案にも、「生活保護については(中略)生活扶助基準や医療扶助の適正化を行う」(22日公表原案の記述「生活扶助基準の水準の引き下げ」を緩和)「地方公務員の給与については、12年度から実施されている国家公務員給与の平均7.8%の削減措置に準じて必要な措置を講ずるよう地方公共団体に要請するとともに、それを反映して、13年度予算における地方交付税や義務教育費国庫負担等を算定する」と具体的な文言が盛り込まれている。

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