日本製ヤンゴン路面電車、半年で運休のワケ

新政権の事業仕分け?広島電鉄関係者も困惑

そのプロジェクトがなぜ半年で突然中止となったのか――。

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車両基地で保管される広島電鉄から譲渡された車両(ヤンゴン、ワーダン車両基地)

国営英字紙「グローバルニューライトオブミャンマー」にミャンマー国鉄のトゥン・アウン・ティン・ゼネラルマネジャーが語ったところによると、現在同線には1日およそ45人の乗客しかおらず、一編成の乗客が10人ほどの時もあった。約4500チャット(約400円)の運賃収入に対し、運行コストは1万5000チャット(約1350円)で、大幅な赤字を出しているという。

同マネージャーはまた、混雑した道路を走ることによる交通事故の可能性も理由として挙げた。7月1日から運行を取りやめ、日本からの譲渡車両は将来的に使用するため車両基地で保管するという。

同線は、もともと貨物用の路線を電化して利用したもので、川沿いを通るため、確かに利便性がよいとは言えない。また、運行を午前中に限ったうえ、乗客が少ないと見るや本数を減らし最終的には1日2往復に減少。こうした不便さから、ミャンマー人利用者の支持が得られなかったものとみられる。

複雑な政治情勢が背景に?

この突然の決定に、これまで協力してきた日本の関係者には「残念だ」「連絡すらなかった」とショックが広がった。広島電鉄の広報担当者は「正式な連絡がなくコメントできない」と困惑を隠せない状態だ。

関係者は「収支が厳しいのは計画当初からわかっていたはず」と指摘する。交通事故の危険性についても、路面電車である以上予見できたことで、むしろ事故防止の施策を打つことが順当だと言える。

ミャンマー政府が当初の計画を撤回した背景には、複雑な政治情勢がありそうだ。ミャンマーでは、半世紀ぶりに行われた民主的選挙の結果、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相率いる国民民主連盟(NLD)が今年4月、政権の座に就いた。スー・チー国家顧問は経済政策について多くを語っていないが、選挙前から「テイン・セイン政権の良い施策は継承し、そうでないものは中止する」と強調。NLD幹部も外国と前政権が交わしたプロジェクトの契約を見直す方針を示している。

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