ハイヒールも履ける「義足」は女性を救う 義足市場はいまだ男性中心

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米ジョンズ・ホプキンス大学の学生チームが、フラットシューズからハイヒールまで多様な靴を履けるようにした義足を開発した。かかとの高さ4インチ(約10センチ)まで対応可能だ。足を失った女性たちの人生が変わるのを手助けしたいと考えている。

同大学機械工学チームのケイトリン・クーンズさんは試作品を手に、「このロックレバーを解除すると高さを調整できます」と説明。どんな靴にも合うようにすれば、女性たちは、何種類もの義足を大きなバッグに入れて靴屋に持ち込み、欲しい靴に合うか試さずに済むようになる、と語った。

ニーズは軍の女性から

発案は軍の女性からだった。米国防総省によると、米軍のアフガニスタン紛争介入以来、下肢の切断を迫られた女性の軍人は76人いる。

しかし、女性に合った義足は非常に見つけにくい、と同大学の軍事・退役軍人保健研究所(MVHI)のジム・ギルマン博士は指摘する。「切断手術を受けるのは大半が男性」であるため、数や商業上の観点からすれば、義足の開発や販売は男性向けが主体になるからだという。  

今回の開発では、国立ウォルター・リード陸軍病院の患者2人から、匿名を条件にアドバイスを受けた。チームが思いついたのは、複数のアルミニウム製のディスクを組み合わせることで、かかとの高さが変わっても対応できる足首の構造だった。

機械工学チームのエンジニア、ジョーイ・ティルソン氏は、人間の足の親指の付け根にある「母指球」をまねて、義足に丸みを帯びさせたと語る。また、使用時に強い圧力がかかることから、踏み板となる部分などの素材には炭素繊維を採用し、デザインも工夫したとしている。

実験では高さ1インチの靴から履いてみたが、金色の4インチのスチレットヒールにはまだ挑んでいない。転ぶ危険性があるからだ。

研究が進めばいつの日か、けがや病気などで足を失った女性の多くが、こうした義足を使えるようになるだろう。

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