フロリダ殺戮、元凶は「アサルトライフル」だ 米史上最悪の乱射事件が投げかける課題
マティーン容疑者は、アフガニスタンからの移民の息子で、29歳の米国市民であり、AR-15式アサルトライフルとハンドガンで武装し、フロリダ州オーランドのゲイが集うナイトクラブで、50人を殺害し、53人に負傷を負わせた。同容疑者は、それ以外にも未確認の武器を所持していた、とオーランドのジョン・ミナ警察署長は述べている。
AR-15は、1960年代にベトナム戦争で使用された、米軍のM-16ライフルを改良した自動小銃。軍事用とは異なり、AR-15は完全にオートマッチックではなく、ユーザーは一発撃とうとする度に、引き金を引かなくてはならないようになっている。また軍事用と異なり、AR-15の中には、軽量であり、撃った後の反動が比較的穏やかなものが多い。
有名なメーカーとしては、レミントン・アームズ、スミス&ウェッソン、スターム・ルガー等がある。
米国には500万~1000万丁のAR-15がある
国立射撃スポーツ財団は、米国内には500万丁から1000万丁のAR-15ライフルがあると推定している。米国人によって所有されている銃器の総数は3億丁あり、そのうちのほんの一部分だ。ほとんどの所有者は、そのライフルをターゲット射撃と自宅防衛用に使用していると述べている。もちろん、猟にも使用できるライフルだ。
これらの論議の多い評判があるに関わらず、アサルトライフルは殺害現場にそれほど頻繁には登場しない。FBIのデータによると、2010年から2014年の間の全ての殺害の凶器として、ハンドガンが少なくとも48パーセントを占めている。一方でライフルは、銃身の長い従来型のものを含むカテゴリーは、2.4パーセントを占めているにすぎない。およそ、その4倍の人々がナイフによって殺害されている。
だが今回のフロリダ州オーランドの銃撃事件の後、数人の民主党議員が、1994年と2004年に施行されたアサルト式の銃器と大容量の弾薬マガジンを禁止する法律を、議会は更新するべきである、と述べている。民主党大統領候補者になると推定されるヒラリー・クリントン氏は次のように表明した。「戦争の武器を、私たちの街に決して持ち込まない。このことを再び思い起こすべきです」。
それでは、アサルトライフルを禁じる法律を作れば、犯罪を減らすことは可能なのだろうか。