証券業界の勢力図が「激動期」を迎えている

オンライン証券による「下克上」の時期迫る

証券業界の勢力図が大きく変わるかもしれない(撮影:今井康一)

振り返ってみれば、このときの決算が業界の勢力図を変えるターニングポイントだった――。2015年度の証券業界の決算内容は、そう遠くない将来、多くの証券マンにそんな思いを抱かせる予兆を感じさせるものだった。

同年度の決算は、対面営業を主体とした大手2社(野村ホールディングス、大和証券グループ本社)と、オンライン大手5社(SBI証券、楽天証券、松井証券、カブドットコム証券、マネックスグループ)で、明暗が分かれた。

純利益で比較すると、国内最大手の野村は前期比41.5%減の1315億円、2番手の大和は同21.3%減の1168億円と、いずれも前年を大きく下回った。これに対して、オンライン5社はSBI証券の同39.5%増(280億円)を筆頭に、松井証券(同5.2%減)を除く4社が前年を上回る着地となった。

野村は4年半ぶりの四半期赤字

特に大きく明暗が分かれたのが2016年1~3月期だ。同期間の純利益は、SBIが94億円と前年同期の1.7倍となった一方、大和は同44.7%減の213億円、野村に至っては820億円の黒字から191億円の赤字に転落した。野村が四半期ベースで最終赤字となったのは2011年7~9月期以来、4年半ぶり。アベノミクス前の水準まで落ち込んだことになる。

ここまでハッキリと濃淡がついた理由は、対面証券とオンライン証券の収益体系の違いに求められる。オンライン証券の顧客層には比較的若いデイトレーダーが多く、株式市場が調整局面に入っても売買量が落ちにくい傾向がある。また、対面証券のように大規模な店舗網を抱える必要がないため、人件費をはじめとした固定費が相対的に低く抑えられる。

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