究極!その悪癖を絶つショッキングな方法 やめられない過食や喫煙、飲酒におさらば
ほかにも、パブロックのように嫌悪療法によって行動を変えることを狙った機器やアプリがある。たとえば、49ドルの「モチベイダー(MotivAider)」や、リストバンド型で99ドルの「リバイブ(RE-vibe)」は、悪習慣を断ち切ったり目標を達成したりするために、リマインダーとして一定の間隔で振動するようにセットして活用できる。80ドルの「ルーモリフト(Lumo Lift)」は姿勢を正しく保つためのツールで、衣服などに付けておくと姿勢が崩れたときに振動して知らせる。150ドルの「スパイアー(Spire)」はクリップ型のセンサーで、ユーザーの呼吸パターンを探知することにより、心の状態を追跡することができる。ユーザーがストレスや不安を感じていると探知すると、スパイアーが振動するか、深呼吸するようユーザーのスマートフォンにメッセージが送られる。
だが、パブロクはこれらの製品よりさらに一歩踏み込み、より強力なメッセージを送る。
1週間試した結果…
私はこのデバイスを試すため、1週間装着して、デザートを食べるたびに電気ショックを受けた。私の目標は、夕食の後に甘いものが食べたくなる気持ちを抑えることだった。最初に、チョコレートを一切れ食べる前と食べた後に電気ショックを受けた。また別の日に、アイスクリームやカップケーキ、チョコチップクッキーを食べた後に、ビリッとやった。
電流を弱く設定しておくと、チクチクする程度にしか感じなかった。強く設定しておくと、かなり痛みを感じた。
この製品を開発したマニーシ・セシは、過去に女性を雇って自分の隣に座らせ、自分がフェイスブックを見ようとするたびに顔を平手打ちしてもらい、生産性を高めようとしたことがあった。私は彼に電話をしたとき、彼に直接会っても、こんな恐ろしい拷問のような道具を作ったからといって、顔を殴ったりはしないと言った。すると、彼は笑いながら「よくそんなことを言われる」と言った。「みんなこの道具を大好きか、大嫌いか、どちらかだ」。
セシは「痛みを与えるために作ったわけではない」と言う。「自動的にやってしまうことから抜け出せるよう、瞬間的に刺激を与えるための製品だ」。
だが、このように自分で行う嫌悪療法は本当に効果があるのだろうか。
ロサンゼルスの精神科医で脳科学者のピーター・ワイブローは、「この製品で最も優れているのは商品名だ」と言う。「ある種の行動をやめるために、ゴムバンドを手首に巻いてパチンとやるが、この製品はその高額版に過ぎない」。
イェール大学教授で精神医学が専門のマーク・ポテンザは、ショックを用いることの倫理性に関して研究者たちは疑問を持っていると話す。もっとほかに不快感の少ない方法、たとえば認知行動療法や医薬品の利用、12ステップのプログラムなどがあるという。