“日の丸”電子部品の岐路 スマホ頼みの消耗戦

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部品メーカーが「誤算だった」と口をそろえるのが、パソコン向けだ。年末商戦の目玉とされてきた薄型・軽量・高機能の「ウルトラブック」向け部品が、足元で伸び悩んでいる。米アップルの「アイパッド」などタブレット端末に押されているためで、大手電機メーカー首脳は「爆発するとしても来期だろう」と話す。

これまで群を抜いて販売数量が多かったテレビ向けも急降下している。果敢に投資してきたパナソニックは6月、「テレビはコア事業ではない」(津賀一宏社長)と戦略を転換した。世界3位のソニーも事業規模を縮小している。アルプス電気などがその影響をまともに受けた。

デジタルカメラ向けも厳しい。精密さを要求されるデジカメ用部品は、日系メーカーの独壇場。だが、スマートフォンの台頭で市場はみるみる縮小している。調査会社テクノ・システム・リサーチの予測によれば、12年のコンパクトデジカメの出荷台数は前年比16%減の約9600万台に落ち込む見込みだ。年間1億台超を売るアップルの「アイフォーン」の規模を下回ることになる。

そんな中、唯一期待できるのが、スマホ向けの需要だ。

9月下旬に発売されたアイフォーン5は、年末までの3カ月強で4500万台近い出荷数量を見込む。韓国サムスン電子の「ギャラクシー」も急速に伸びている。2強に圧倒され、ほかのスマホメーカーはむしろシェアを落としている。つまり、アップルとサムスンに供給できるかどうかが、カギとなる。

“勝ち組”村田も危機感

スマホ向けが売上高の4割を占める村田製作所。得意とするセラミックコンデンサー(セラコン)を安定的に量産できるメーカーは少なく、村田は超小型品の分野で6割超の高シェアを保ってきた。セラコンの福井工場は目下フル稼働。電子部品業界では“勝ち組”とされている。

その村田でさえ7月末に業績の下方修正を余儀なくされた。スマホへの依存度の高さが裏目に出たのだ。

 

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