そのスプートニクにまつわるクラシック音楽は残念ながら見当たらないのだが、今も宇宙空間を飛び続けているクラシック音楽の存在をご存知だろうか。1977年にアメリカが打ち上げた2機のボイジャー宇宙探査機には、地球外知的生命体に地球の生命や文化を伝えるための、音や画像が刻まれた「ゴールデン・レコード」と呼ばれる金メッキされた銅板製のレコードが搭載されているのだ。
宇宙空間を飛行中のクラシック音楽8曲
レコードに収められた内容は、地球の風景を収めた画像のほか、さまざまな地球の言語や動物の鳴き声、そして人類の生み出した音楽など。その中には当然クラシック音楽も含まれている。さて、そこに選ばれている作品とはいったい誰のどの作品だろう。これはクラシックファンならずともちょっと気になるところではないだろうか。
宇宙空間を飛行中のクラシック音楽は、①J.S.バッハ:『ブランデンブルク協奏曲第2番』(カール・リヒター指揮、ミュンヘン・バッハ管弦楽団)、②J.S.バッハ:『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ第3番』(アルトゥール・グリュミオー)、③J.S.バッハ:『平均律クラヴィーア曲集第2巻ハ長調』(グレン・グールド)、④モーツァルト:オペラ『魔笛』から“夜の女王のアリア~復讐の炎は地獄のように我が心に燃え”(エッダ・モーザー&ウォルフガング・サバリッシュ指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団)、⑤ストラヴィンスキー:バレエ音楽『春の祭典』から“生贄の踊り”(イーゴリ・ストラヴィンスキー指揮、コロンビア交響楽団)、⑥ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』第1楽章(オットー・クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団)、⑦ヴァイオルもしくはヴァイオリン属と管楽器のためのパヴァン集、ガリアード集、アルメーン集ならびにエア集(デイヴィッド・マンロウとロンドン古楽コンソート)、⑧ベートーヴェン:『弦楽四重奏曲第13番』第5楽章“カヴァティーナ”(ブダペスト弦楽四重奏団)の以上8曲だ。
ドイツ音楽中心のチョイスであるところが時代を反映しているとも言えそうだが、いずれ劣らぬ名曲名演ぞろいであることは間違いない。これらの音楽に遭遇した宇宙人はいったいどんな感想を抱くのだろう。
ベートーヴェンの「運命」にはわれわれ同様度肝を抜かれるのだろうか? ストラヴィンスキーの「春の祭典」は、その初演時同様賛否両論、宇宙人の間でも大騒ぎになるのだろうか? はたまたグレン・グールドのバッハに至っては、「このピアニストはわれわれ以上に宇宙人的だ」などという感想を残して聴き入るのではないかと期待してしまう。
ぜひ宇宙人の気分になってこれらの作品を体験してほしい。2機のボイジャー宇宙探査機は、今も地球外知的生命体との遭遇を求めて宇宙空間を飛行中だ。なんとも夢のある素敵な話ではないだろうか。
ちなみに、なぜ僕の会社がスプートニクなのか。それは僕の生まれた1957年が、スプートニク1号の打ち上げられた年で、幼い頃からずっとスプートニクに親近感を持っていたから。というわけで、自分の生まれた年のビックニュースを調べておくことも、飲みの席の話題やビジネスチャンスに結びつく可能性あり!?
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