苦境のコンパクトデジカメ市場 ニコン“スマホ対抗機”でテコ入れなるか

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 一眼レフでキヤノンに次ぐ世界シェア2位のニコンは、コンパクトではキヤノン、ソニーに次ぐ同3位(テクノ・システム・リサーチ調べ)。コンパクト部門の赤字に苦しむ下位メーカーとは違い、ニコンはコンパクト部門でも利益を確保している。ただ、このままではコンパクトデジカメ市場はジリ貧。「S800C」の投入はニコンの危機感を表している。

「S800C」がヒットし、デジカメで撮った写真を直接SNSにアップする楽しみ方が普及すれば、他のモデルや競合他社にもアンドロイド搭載が広がる可能性がある。「スマホのカメラ機能が良くなりデジカメに近づいてきている一方で、デジカメからスマホに近づく動きがあってもいい。一つの面白い提案だ」(競合メーカー関係者)と、他メーカーも関心を寄せる。

一方、「プリントして保存するには高性能なデジカメのニーズが根強いが、SNSなどにアップする共有用の写真はスマホで十分では」(テクノ・システム・リサーチ大森鉄男氏)という懐疑的な声もある。老舗カメラメーカーの意欲的な挑戦となるアンドロイド搭載モデルは、果たして市場に受け入れられるか--。成否はカメラ業界の今後にも影響を与えることになりそうだ。

島 大輔 『会社四季報プロ500』編集長

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しま だいすけ / Daisuke Shima

慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。総合電機メーカー、生活実用系出版社に勤務後、2006年に東洋経済新報社に入社。書籍編集部、『週刊東洋経済』編集部、会社四季報オンライン編集部を経て2017年10月から『会社四季報』編集部に所属。2021年4月より『会社四季報プロ500』編集長。

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