千葉銀と武蔵野銀が「生煮え連携」を組む本音 「効果があるのか?」銀行業界で疑問が噴出
提携によって「5年間で100億円の効果があると試算している」(佐久間頭取)。両行併せた5年間の累計で、金融商品の販売連携などトップラインの収益で約70億円、事務共同化などによるコスト削減で約30億円、計100億円の提携効果を見込む。
ただ、横浜銀行と東日本銀行(東京都)が経営統合して4月1日に誕生するコンコルディア・フィナンシャルグループは、統合後5年間の累計で収益増350億円程度、コスト削減67億円程度の計410億円強のシナジー効果を見込む。千葉・武蔵野アライアンスは、その4分の1にすぎない。
また、3月4日に閣議決定された銀行法改正案により、経営統合した持株会社は今後、システム管理業務や資産運用業務などグループ内の重複業務を共通化できるようになる。しかし、持株会社を設立しない千葉・武蔵野アライアンスのような提携では、そのメリットを享受できない。経営統合に踏み込んでいないだけに、効果は限定的とならざるをえない。
背中を押した関東地銀の再編ラッシュ
にもかかわらず、両行が提携契約を締結し、両頭取出席のもと、大々的な会見を開いたのは、関東地銀各行の最近の統合の流れがあるからだ。
前出のコンコルディア誕生に加え、新銀行東京も4月1日に東京TYフィナンシャルグループと経営統合する。10月には常陽銀行(茨城県)と足利ホールディングス(足利銀行、栃木県)も経営統合する。千葉銀と武蔵野銀は、関東の有力地銀で数少ない独立行となっていた。
特に地銀30位級の武蔵野銀が、コンコルディア(地銀2位級)あるいは常陽・足利連合(地銀3位級)に加わってしまうと、千葉銀(地銀4位級)は上位地銀との差がさらに開いてしまう。そのため、「千葉銀は武蔵野銀を他行にとられないために提携に踏み切ったのだろう」(関東の地銀幹部)という見方すらある。
後ろ向きな提携ととられないためにも、千葉銀と武蔵野銀は、今回のアライアンスで経営統合と同等以上の提携効果を出すことが求められる。
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