「新型インプレッサ」でスバルはどう変わる? 社運を賭けた次世代モデルが担う重責

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3月に日本で報道陣に公開された「SGP」(撮影:尾形文繁)

運転のしやすさや安全性能が改善されたSGPは「2025年を見越した性能を実現したプラットホーム」(武藤直人スバル技術本部本部長)といわれている。プラットホームを1つに絞り込むことで、1車種の開発にかかる時間が短くなる。余った経営資源は商品力の磨き込みや、自動運転や環境対応車の開発に注ぐことができる。

富士重工業にとって、最大の課題は環境対応だ。2018年から米国カリフォルニア州のZEV規制(一定割合でゼロエミッション車の販売を義務づける規制)へ対応しなければならない。試験研究費は2015年度から1000億円レベルと従来から倍増しているが、それでも大手自動車メーカーと比べると潤沢とはいえない。限られた経営資源をどこに振り分けるのか。グローバル販売台数100万台規模のスバルが生き残るための鍵の1つが、今回刷新されたプラットホーム戦略なのだ。

需給逼迫でうれしい悩み

新型インプレッサは米国工場にも変化をもたらす。現状、米国で生産されているのはアウトバックとレガシィの2車種だったが、今回のモデルチェンジから米国やカナダ向けのインプレッサは現地で生産される。

米国工場は逼迫する需要に応えるため、増産対応を進めているところ。インプレッサの現地生産分を含め、米国工場の年産能力は2016年内に39.4万台(2015年9月時点で20万台)に倍増する。

ただ、新型インプレッサが好調なスタートダッシュを決めることができれば、生産能力を増強した後も「まだまだ車が足りない」状況が続くかもしれない。

宮本 夏実 東洋経済 記者

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みやもと なつみ / Natsumi Miyamoto

自動車メーカー、部品会社を担当

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