【和地孝氏・講演】不確実性時代の成長戦略(前編)

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「不確実性時代の成長戦略」より
講師:テルモ株式会社 代表取締役会長 和地孝

●66カ条の「テルモのこころ」

 本日のテーマは「不確実性時代の成長戦略」。非常に難しい課題でございまして、まさにこの不確実性時代の日本について悩んでおられる経営者、あるいはマネージャーの方も、ここにたくさんいらっしゃるのではと思います。私は、経営の行き着くところは「人」だと考えております。私は人をマネジメントする立場ですので、やはりこういう不確実性の時代こそ、経営者がブレない考え方、つまり哲学を持つことが大事かと思います。
 また、ここにはIT関係の方もいらっしゃると思いますが、このIT時代だからこそ、情報や知識をそのままにしておくのではなくて、それを「知恵」にまで昇華する努力が必要だということを言っております。隣にいる人にもメールで連絡することも多いと思いますが、こういう時代だからこそ人間の生のコミュニケーションが大事だと思いますし、そこにおける温かさも必要かと思います。

 今はご承知のように100年に一度の不況と言われております。特に業績が縮小する中で人をどう扱うのかということは、私も含めて大変な悩みだと思いますが、私は人の雇用に一切手をつけません。また、この意思を社員に宣言しております。従って社内に不安というものは出ておりません。
 どうしてかといいますと、この不況になる2年前に『テルモのこころ』という冊子を発刊しました。ここに書かれた66カ条を経営者も守る、社員も守るという約束をしております。その中の一つで、「人は資産であって、コストではない。従って好不況に関わらず、人のクビに手をつけることはしない」と宣言しております。

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