ランボルギーニはなぜここまで急成長したか 「過去15年で販売12倍」の軌跡を追う
2015年に大きく販売が伸びたのは、V10エンジン搭載のニューモデルで2014年3月に発表された最新モデル「ウラカン」の人気と、その量産体制が確立されたことが大きい。
実は日本での販売が好調で、北米、中国に次いで世界で3番目にランボルギーニが売れる市場に育った。
アウディの傘下になったことで転機が訪れる
1990年代後半のランボルギーニは唯一のモデルである「ディアブロ」に数々のバリエーションを追加しながら3ケタ前半という年間販売台数で、細々と生き延びていた。後述するが、その転機は1999年にアウディの傘下に入り、VWグループ入りしたことに発する。
ランボルギーニは、ディアブロをベースに改良を加えた「ムルシエラゴ」を2001年に投入。その後、新たにV10気筒エンジンを搭載した量産モデル「ガヤルド」をラインナップに加える。これまでほとんどがハンドメイドで作られていたランボルギーニが大きく変わったのがこのあたりだ。
筆者が当時、ランボルギーニの組み立てラインを取材した際、エンジニアはそこで作られていたムルシエラゴを指さしながら、「今時、こんな手のかかる組み立てをしているメーカーはほかにありませんよ。エンジンを載せるだけでも、ほら、こんなにパズルみたいなことやっているのですから」と語った。「それを分解して整備するほうも、それ以上に大変なんですけど……」と思いながらその話を聞いていたのを思い出す。
確かにその頃の組み立てラインは、初めてランボルギーニ社を訪れた1980年代終わり頃のカウンタック時代とあまり変わらない状況でもあった。その旧態然としていたランボルギーニを大きく変えたのがVWグループのアウディだ。
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