マイナス金利の副作用が顕在化している

代替政策手段をめぐって議論

中銀は、銀行の痛みを和らげるためにマイナス金利の適用範囲を限定することができる。日銀は実際に当座預金金利に階層構造を設けており、ECBも同様の措置を検討しているとされる。

もっともECBは景気テコ入れという効果が薄れるようなそうした中銀預金金利の修正は実行しそうにない。ただし欧州の銀行セクターがマイナス金利の副作用にさらされている以上、代替策の模索は続いている。

ECBの政策担当者は過去に、銀行債や社債、あるいはよりリスクの高い資産担保証券(ABS)を買い入れプログラムの対象に含める案を検討した。プラート専務理事は、理論的には現物株や金の買い入れもできると発言した。

これらの措置は、ECBがユーロ圏のすべての加盟国で政策を実施する点を考えれば現実的には困難だが、まったく不可能でもない。1年か2年前までは、国債買い入れやマイナス金利などは政策の「邪道」とみなされていたのだ。

前例という面では、1990年代後半のアジア金融危機において、香港の中銀が上場株の20%前後を買い取ったケースがある。また日銀は最近、上場投資信託(ETF)の買い入れを増額した。

マイナス金利拡大予想

マイナス金利が拡大し、銀行が支払う手数料が増えていけば、どこかの時点で銀行は現金保有に切り替え、厳重に警備された金庫にそれらの現金を退蔵すると考えられる。

現金は金利を生まず警備コストもかかる。それでも多額の手数料を払うより安いからだ。そこで学界の一部では昨年、現金への課税も論じられたが、それは銀行セクターの緊張を増幅させるだけに終わるだろう。

そして市場でマイナス金利の副作用が懸念されているにもかかわらず、中銀当局にとっては少なくとも当面、マイナス金利が政策手段の1つであり続けるように見える。

JPモルガンは今週、ECBは年央までに中銀預金金利をマイナス0.7%まで引き下げ、理論的には長期的にマイナス4.5%まで下げられるとの見方を示した。

FRBはマイナス1.3%、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)はマイナス2.5%、日銀はマイナス3.45%までの引き下げが可能だという。

(John Geddie、Marc Jones記者)

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