北朝鮮のミサイル発射で緊迫、オバマの現実的方策


 北朝鮮でミサイル発射があった4月5日、欧州歴訪中のオバマ大統領はチェコにいた。そこで行った演説では「北朝鮮はルールを破った。今こそ強い国際的な対応が必要だ」と強い口調で批判した。

だが、これでオバマ政権が「強硬姿勢」に転じたと見るべきではない。米国の安全保障専門家らの間では、オバマ政権が北朝鮮のミサイル問題に「巧妙に対処している」とする見方でほぼ一致している。ブッシュ政権下でアジア政策担当部長を務めたマイケル・グリーン氏は、「オバマ政権がやってきたことすべてに賛成しているわけではないが、全般的には高く評価している」と話す。グリーン氏は、アジア歴訪前のヒラリー・クリントン国務長官に会ったばかりでもある。

米国政府はこれまで、北朝鮮の動きに抑制的な対応をしてきた。北朝鮮は意図的に危機を引き起こすことで、自国に有利な状況を作り出そうとしているとの見方があるからだ。そのため、オバマ政権もむやみに緊張状態を高めるのではなく、採りうる選択肢の中で現実的な判断を下すスタンスだ。スタンフォード大学のショレンスタイン・アジア太平洋研究センター(APARC)で、調査アソシエイト・ディレクターを務めるダニエル・スナイダー氏は、「オバマチームにはタフで経験豊かな人材がそろっている。北朝鮮に対して決して寛大な態度は取らない。彼らは押しが強く実利的」と評価する。

核保有継続は不可避 オバマの検討課題

APARCとニューヨークのコリア・ソサエティは最近、朝鮮半島に関する共同リポートをまとめ、米政府へ提出した。同リポートでは「2006年に核実験を行って以降、北朝鮮が核保有を放棄する可能性はますます低くなっているようだ」との結論に達している。同様の見方は専門家たちの間にも広がっており、最近開催された日米防衛専門家の集まりでは、リチャード・アーミテージ元国務副長官が「金正日(キムジョンイル)を核兵器から引き離すことはおそらく不可能だろう」と述べた。経済制裁を行うにしても、中国とロシアが北朝鮮に大きな圧力をかけることに消極的な姿勢を取ってきたこともあり、その影響は限定的だ。かといって、米国が核武装を認めるような姿勢をたとえ黙認の形であっても北朝鮮に示唆すべきでないという点も、米国の安全保障専門家らの間で一致している。

つまりオバマ政権の検討課題は、北朝鮮に核開発計画の封印を継続させながら、どこまで譲歩を促すことができるかにある。最終的な目標は、国際社会に対して開かれた国となるように促し、うまくいけばそれが突破口となって同国内に何らかの変化が生じる。これが非核化の道筋として考えられる唯一の方法だろう。「(ミサイル問題による)緊張の結果、すでに始まっている核施設の限定的な無力化を北朝鮮が無効とすることを認め、6カ国協議が機能不全に陥るような成り行きは、誰も望んでいない」(スナイダー氏)。

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