おしゃれ「おにぎらず」はコメ離れの救世主だ 「切り口見せ」で変身、経済波及効果も抜群

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そして、おにぎらず人気は続々とさまざまな業界を巻き込んでいった。おにぎらず用のりの発売に始まり、コンビニエンスストアやお弁当チェーン、外食でもメニューに導入、「おにぎらず」本の発刊(刊行数は10数点)など。さらに、お弁当箱や料理ツールにも大きな影響が。

これは「おにぎらずが手間いらず」(クックパッドストアより)。便利なグッズが続々登場している

おにぎらずを詰めるときに便利な高さがあり、断面を見せられるふたが透明なお弁当箱や、おにぎらずを入れられて、持ち運びやすいキットやケースが大ヒット。ほかにも、おにぎらず用のごはんの型や、食べやすいようにのりに切れ目を入れるアイデアグッズなども登場し、人気を博す。ひとつの料理でグッズ業界の商品開発や売れ行きまでに影響した例は、希有といっても過言でないだろう。

腹持ちのよさを実感した男性も支持

おにぎらずが、いかに人気なのかおわかりいただけただろうか。最後に「おにぎらず」の特筆すべき点がもうひとつ。それは「コメ」の再注目につながったということである。

コメ離れが叫ばれて久しい中、「おにぎらず」に従来の具とは異なる肉や卵、野菜などを挟むことによって、どんな食材もコメは相性がいいことが証明された。そして朝ごはんやお弁当などで腹持ちのよさを実感し、男性たちの支持も得ることができたのも大きな特徴だ。

ミラノ万博などをきっかけに海外では、日本のおにぎりが注目されている。われわれ日本人もまた、この「おにぎらず」人気をきっかけに、「コメ」を再評価するときが来たのではないだろうか。

より多くの人に「おにぎらず」というメニューを楽しんでもらうこと、そして、おにぎらずに続くいまどきのニーズにあった「コメ」新レシピの登場を、2016年も願ってやまない。

草深 由有子 クックパッド編集長

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くさふか ゆうこ / yuko kusafuka

クックパッド編集長。生活情報雑誌、料理雑誌の編集を経て、2013年クックパッドに入社し2015年より現職。現在、小学3年生の息子をもつ母親でもある。クックパッド編集部は、いま知っておきたい注目の料理情報や人気のレシピ・トレンドを紹介する「クックパッドニュース」の配信などに携わっている。 

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