「財政健全度」全国トップ400自治体ランキング 上位200市と200町村で1位になったのは?

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財務が健全な都市ランキングで2位に入った愛知県刈谷市の刈谷ハイウェイオアシス(写真:kazukiatuko/PIXTA)

東洋経済『都市データパック』編集部が毎年算出している財政健全度ランキングは、5つの視点(カテゴリー)から、自治体の財政を評価している。

(1)支出が収入の範囲内に収まっているか(収支)
(2)外部環境の変化があっても柔軟に対応できるか(弾力性)
(3)支出を税収で賄えているか(財政力)
(4)税収には安定した裏付けがあるか(財政基盤)
(5)財政上の負担を将来世代に先送りしていないか(将来負担)

『都市データパック2019年版』では、先日公表した「住みよさランキング」と同様に、財政健全度の算出指標についても大幅に刷新・拡充した。さらに掲載対象に町村を新たに加えたことに伴い、市町村の財政健全度を算出した(他市と比較可能な指標がそろわない東京23区は除外)。

ただし、市と町村には、歳出の多くを占める福祉事務(生活保護や障がい児、母子家庭の支援など)の実施が義務付けられるか否かといった違いがあり、その財政状態について単純に比較することはできない。そのため、算出指標は同一でも、ランキングの基となる偏差値は、市と町村で別々に算出している。

市、町村とも愛知県の自治体がトップ

市の財政健全度では、指標の変更にもかかわらず、みよし市(愛知)が4年連続の1位となった。みよし市は、市内に自動車関連の事業所が多く、同時にベッドタウンとしての性質も併せ持つ。税収は潤沢だが、それに甘えることなく、経常経費や義務的経費の水準が十分にコントロールされており、全カテゴリーで高順位となった。

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2位は、同じく自動車関連の事業所が集積する刈谷市(愛知)で、全カテゴリーで上位になったものの、実質収支比率や人口当たり財政調整基金残高など収支カテゴリーの2項目が、みよし市を下回った。

今回新たに算出した町村の財政健全度では、「日本一裕福な村」として取り上げられることもある飛島村(愛知)が1位だった。

飛島村は、南部に臨海工業地帯が整備され、工場、倉庫、発電所などが多く、税収に恵まれる。収支カテゴリーでは順位がやや下がるものの、豊かな税収を溜め込むことなく、財政負担の先送りもしていないことがうかがえる。

2位の大熊町(福島)は、福島第1原子力発電所が所在し、以前から財政には余裕があったが、震災以降の交付金の受け入れもあって財政基盤以外のカテゴリーで高順位となった。ただし、交付金のうちかなりの金額が未執行だ。福島第1原発事故に伴い全町避難した大熊町は2019年4月に一部地域の避難指示が解除、5月に役場が再開したばかり。これからが復興の本番といえる。

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