結婚10年「元専業主夫」が33歳で離婚した理由 外で稼ぐ妻との力関係や不貞に悩んだ果てに

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「全部こなせるかっこいい男になりたかった」と語る佐藤光一さん(筆者撮影)
単純計算すると3組に1組の夫婦が離婚している日本。そこにいたるまでの理由は多種多様だ。そもそも1組の男女が、どこでどうすれ違い、離婚という選択肢を選んだのか。それを選択した一人ひとりの人生をピックアップする本連載の第6回。現代社会が抱える家族観や結婚観の揺らぎを追う。

中学時代からの幼馴染と結婚

「子育ても、家事も仕事も全部こなせるかっこいい男になりたかった。ただ、現実は色々と苦しくて、挫折しました。そんな今で言うイクメンの理想を目指したんですけど、そうはいかなかったですね」

佐藤光一さん(仮名・38歳)はそう言って、がっくりと肩を落とした。光一さんは、2013年に妻のゆかりさん(仮名・38歳)と離婚して、10年間の結婚生活を終えた。

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元妻のゆかりさんとは、地元の関西に住んでいた時の中学の同級生で、幼馴染だった。お互い異性と付き合うのは初めてだった。ゆかりさんはクラスでも指折りの美人だった。明るくて可愛くて、社交的で誰からも好かれるタイプだ。そんな性格に惹かれ、光一さんは、猛アタックして、付き合うようになった。

光一さんには夢があった。家事も仕事もきちんとできる男、細々とした家庭の雑事を余裕で引き受けて、パートナーには外で好きなことをしてもらう。長年憧れてきた内田春菊や、大好きなロックミュージシャンの生き様に憧れて、いつか自分もそうなろうと思っていた。

ゆかりさんとは、その後も付き合いが続き、お互い同じ県内の大学に進学。ゆかりさんの就職とともに、光一さんも関西から上京し同棲生活が始まった。光一さんは、映像制作を自宅で請け負うフリーランス、彼女は教育関係会社の正社員として働き始めた。

同棲し始めて1年が経った頃に、待望の第一子である長女の妊娠がわかり、結婚。出産後は、まさに光一さんは長年夢に描いていたイクメン生活に突入するはずだった。

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