生保会社は毎年の決算時に「事業費率」を公表しています。事業費とは保険事業の運営上に必要な経費のことで、新契約の募集、保険料の収納、契約の事務管理などの費用が含まれます。保険料に対する事業費の割合が「事業費率」になります。大手生保ですと10%台です。ただ、この中には貯蓄性の保険が多く、また長期間の契約が多いことから、この数値から死亡保険や医療保険のテラ銭を推し測ることができません。
そこで同じ保険業である損害保険会社から類推してみます。自動車保険や火災保険のように損保契約の多くは一年契約で、しかも掛捨て保険です。ですから、損保会社の公表する「事業費率」は、損保会社のテラ銭の実態をかなり反映したものになっています。
2014年度の全損保会社の「事業費率」は32.2%でした。そして、利益などで最終的に損保会社の留保した分が5.5%ですから、これを加えると37.7%となります。100円の保険料の内、約38円がテラ銭として取られていることになります。競馬や競輪が20~30円ですから、損害保険のテラ銭はそれよりも高いということです。
生命保険の高いテラ銭は損害保険に負けていない!
生命保険はどうでしょうか。一般的に生保の方が損保よりも経費が高くなる傾向にあります。生命保険は売るのが難しい商品であることがその理由です。自動車保険よりも死亡保険の方が売りにくいことから想像できるように、生保の営業コストは損保よりも高めであると考えられます。そこで、生保会社のテラ銭は少なくとも損保並みの38円、おそらくはそれ以上、と見当をつけることができます。
このように、損害保険も生命保険(死亡保険や医療保険など)も明らかに競馬、競輪よりも高いテラ銭を取っていることが分かります。保険商品によっては、宝くじ並みに高いテラ銭を取られているかもしれません。
つまり、保険は公営ギャンブルのように「戻り」の少ない効率の悪い商品である、ということです。保険に入り続けることは、計算上、競馬、競輪に賭け続けるのと同じであることを意味しています。
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