ホンダ「2190万円バイク」が背負う重大使命 熟練技術者25人が手作業、年明けから納車

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大型ツーリングバイク「アフリカツイン」、特にオフロードで強みを発揮する

そこで注目が集まるのが経済発展著しい新興国市場だ。これまで大型バイクを主力としていたハーレーやBMWも、排気量が500ccや750ccの趣味性の高い中型バイクをアジアや南米に投入し始めた。ヤマハや川崎重工業も新興国での中型バイク市場開拓に力を入れている。

鈴木執行役員は「今後趣味商品の主戦場となる新興国市場で勝っていくためには、現時点で先進国においてそれなりのブランドアイデンティティを構築しておかないといけない」と危機感を露わにする。

なぜ今、超高級バイクを売り出すかの答えはここにある。「RC213V-S」は約250台限定ながら、ブランド戦略上の最重要モデルともいえる。

ツーリングバイクでも戦略商品を投入

2015年末に欧州を皮切りに日本や北米でも発売する大型ツーリングバイク「アフリカツイン」も戦略商品だ。オフロードでの耐久性と高い操作性が受け、1988年発売の初代以降、歴代モデルは世界で高い人気を誇ってきた。新型車にはホンダ独自のバイク用「デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)」を搭載し、燃費重視の走行やスポーティーな走行とモードの切り替えもできる。八郷隆弘社長も「ホンダらしさを体感できる商品」と太鼓判を押す。

趣味性の高い大型バイク市場は、世界ではバイク全体の2~3%とわずかであるが収益性が高い。ここでシェアを伸ばせば、ブランド価値向上も期待できる。将来にわたって二輪王者の地位を守り抜くためにも、ホンダが満を持して投入する新型車が背負うものは大きい。

木皮 透庸 東洋経済 記者

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きがわ ゆきのぶ / Yukinobu Kigawa

1980年茨城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。NHKなどを経て、2014年東洋経済新報社に入社。自動車業界や物流業界の担当を経て、2022年から東洋経済編集部でニュースの取材や特集の編集を担当。2024年7月から週刊東洋経済副編集長。

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