エイチームの“百年戦略”

スマホアプリで成長加速

スマホアプリで成長加速、エイチームの“百年戦略”

名古屋で有数の高層ビル、名古屋ルーセントタワー32階にあるエイチームの大会議室「全体ミーティング広場」は、夜10時を回っても熱気が衰えなかった。単なる社内会議ならこの時間に行うのもそう珍しくはない。ユニークなのは、採用のための会社説明会という点だ。

今年5月から、同社は毎週水曜日夜9時からの会社説明会「水9プロジェクト」を始めた。こんな時間に設定しているのは、転職希望者が勤務中の会社を休むことなく立ち寄れるように、という配慮から。林高生社長をはじめとする経営幹部から話を聞くだけでなく、現場の開発者に直接質問をぶつけたり、職場を見学することもできる。

苦労人の社長が創業 ソーシャルゲームで急成長

4月4日に東証マザーズに上場したエイチームの2本柱は、ソーシャルゲームをはじめとするモバイルアプリ(エンターテインメント事業)と生活関連情報のインターネットサービス(ライフサポート事業)。成長著しいソーシャルゲームは、5月の「コンプガチャ禁止規制」によって、業界は大きなダメージを受けた。だが、コンプガチャ依存度が低かった同社の業績は右肩上がりが続いている。

2011年8月に資本・業務提携をしたグリー向けゲーム「AKB48ステージファイター」はグリー最速で200万登録を突破。グリー、DeNAなどのプラットフォーム企業に頼らない独自スマートフォンアプリでも、今年2月に公開したカードバトルゲーム「ダークサマナー」のアイテム販売は、アプリの売り上げランキング上位をキープ。今では月商1億円に育った。

6月14日には12年7月期売り上げ予想を53億2000万円から60億7300万円へ上方修正するなど成長は加速している。もっとも、業績好調というだけなら、ほかにも多くのアプリベンダーがある。エイチームを他社と差別化している最大の特徴は「東京に拠点がない」ことだ。

林社長は、1987年に岐阜県多治見市立多治見中学校を卒業後、高校に進学せずアルバイト、学習塾経営などを転々とした経歴の持ち主。親族から引き継いだ借金の返済を続けつつ、97年6月にコンピュータプログラミングの腕前を生かしてエイチームを創業した苦労人だ。

ただし、創業からの6年は典型的な受託開発企業。締め切りに追われるばかりで利益はいつもカツカツ。繁閑の差が激しく、社員を増やすこともままならなかったという。

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