金融市場は、戦局が不透明なことから、売りと買いが交錯する不安定な地合いとなっている。当面のメインシナリオは、体力が乏しいイランによる反撃は数週間程度で一度収まり、ホルムズ海峡の封鎖も解かれるという展開だろう。
また、それに伴い、高騰した原油価格やガス価格は下落に転じ、エネルギーショックの影響も軽微に留まると考えられる。
ただし、ここで気を付けなければならないのが、エネルギー価格が高止まりするリスクである。
窮鼠猫を噛む状態となったイランが、ホルムズ海峡の封鎖を最優先として、軍事力を集中させる可能性があるためだ。一方、イランとしてはホルムズ海峡の封鎖を解く前までに、限られた軍事力を行使して、湾岸諸国の精油施設の破壊に注力する危険性もある。
仮に、このような形でエネルギー価格が高止まったらどうなるか。
グローバルな高インフレが再燃するリスク
グローバルな高インフレの再燃は回避できない。ここで利上げに踏み込める国・地域の経済は強いが、景気の失速を伴うため、短期的にはスタグフレーション(景気停滞と物価高進の併存)に陥ることになる。
一方、景気を優先して利上げを回避しても、高インフレが消費や投資を圧迫するから、そうした国・地域でも景気は失速する。
2022年に生じたロシア発のエネルギーショックの際にも明らかとなったが、アメリカの場合、自らが石油やガスの純輸出国であるから、国際価格が上昇しても国内価格の上昇を抑制することができる。
ゆえに、エネルギーショックの悪影響は欧州や日本に比べると限定的に留まる。むしろ、アメリカとしては欧州や日本向けに石油やガスを輸出する好機にもなる。
ドナルド・トランプ大統領による政治的な干渉が意識されるものの、インフレが加速すれば、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は躊躇なく利上げに転じるだろう。こうなると、利上げレースの再開である。EUの欧州中央銀行(ECB)も利上げに追随すると考えられる。
このレースにおける断トツの最下位は、2%のインフレ目標を達成してもなお利上げに慎重な日本銀行となる。その帰結はつまり、金利差を要因とした円安である。






















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