「下町ロケット」半沢と似て非なる熱狂の裏側 TBS常勝チームのキーマンがすべてを明かす
――絶妙な配役だという評価も聞きます。
何といっても役者さんですね。監督がいくら良くても役者がダメなら絶対面白い作品はできません。
――主人公・佃航平に阿部寛さんを選んだ理由は?
阿部さんは佃航平と年齢が近くて愛嬌があります。何より背が高く体が大きくて迫力があります。佃航平は原作でも、突然怒ったかと思えば、急にしょんぼりすることもある。そこは阿部さんが得意とするところです。
阿部寛さんは、愛嬌のある役者さん
――佃航平は魅力のある人物として描かれていますね。
そこに人がついてきます。半沢直樹は自分の強烈な力で突き進んで行きますが、佃航平の場合は周囲から助けられるんですね。たとえば、ライバルメーカーに特許裁判で訴えられたときも、離婚した元妻の真矢ミキさん演じる和泉沙耶さんが、恵俊彰さん演じる神谷修一弁護士を紹介してくれる。その神谷弁護士も一度はさじを投げかけますが、佃航平や佃製作所で働く人たちの頑張りを見て、助けてくれる。
――確かに佃航平だけでなく、周囲の人たちのキャラクターも丁寧に描写している。
立川談春さん演じる、佃製作所の経理部長である殿村直弘さんのキャラクターがいい味を出しています。最初は銀行から出向してきて、ボソボソしているし、「研究開発はやめてほしい」などとうるさいことを言う嫌なヤツだなぁという感じなのですが、実は会社のことをちゃんと考えているいいヤツだったという。原作でも感動したシーンでした。そういうとこをちゃんと描いていっています。
――その立川談春さんのように、今回は、落語家の方が多く出演されている印象もあります。
テレビではよく見ても、芝居は見たことないような人が出ると、視聴者としてはそこだけでも楽しみがあります。落語をやっているからといって、役者ではないとは言えません。落語だって1人で何人も演じています。歌舞伎もそうですね。あと、おかげさまで半沢直樹が大ヒットしたこともあり、下町ロケットに出てみたいという人が多く、それがうまくいっている要素でもあります。半沢直樹のときは個人的なツテを頼って、何とか出てもらったということもあったぐらい苦労しましたから。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら