合理的配慮をめぐるモヤモヤ...「本当に無理?」「あの子だけずるい」「現場が持たない」を乗り越える学級経営の視点とは?《新年度前がチャンス》

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合理的配慮はとても重要なものです。ただ学校現場では、「特別に許す」「あの子には事情があるから例外にする」といった“例外的な個別対応”や“特別扱い”として理解されやすい。その結果、先生の中にも、教室の中にも、モヤモヤが生まれやすくなっているように思います。

合理的配慮をめぐる違和感は、だいたい次の3つに集約できると思います。

1.「本当に無理なのか」問題
板書が間に合わない、じっと座れない、音がつらい……。困っている様子は見えるけれど、「もう少し頑張ればできるのでは」「甘えなのでは」と疑念が生まれる。一方で、本人は「できない」経験を積み重ね、自己否定を深めていく。

2.「ずるい」問題
特定の子だけ違う対応をしていると、「なんであの子だけ?」という声が出る。その不満に丁寧に答えようとすると、本人の事情を説明せざるをえなくなり、アウティングやラベリングのリスクも生まれる。

3.「全部やったら現場がもたない」問題
ただでさえゆとりのない学校現場で、35人・40人学級一人ひとりに個別対応するのは現実的に不可能に感じる。結果として「空気を読んで合わせてほしい」という気持ちになってしまう……。

この3つは、別々の問題のように見えて、実は同じ構造から生まれています。それは、困りごとが起きてから、その子にだけ対応するという設計です。

「多様な人がいる前提」でみんなが困りにくい環境に

合理的配慮は、「その人のふつう」と「その場のふつう」が合わないことによって生じる社会的障壁(バリア)をなくし、平等な参加やアクセス・権利を保障するためのものですが、【事後的・個別的】に行うことを前提にしています。

つまり、「誰かが困っていることが明らかになってから」「その子に対してのみ」行われる調整を指しています。

例えば「ADHD診断のあるAさんだけ授業中の立ち歩きを認める」「トランスジェンダーのBさんにのみ個室の着替えスペースを用意する」といったイメージです。

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