JR東海・静岡県・国交省「リニア工事で握手」の意味 着工へ大きく前進「川勝時代の対立」解消できるか

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大井川流域10市町の首長は水資源問題に関して一致団結して行動しているが、中でも島田市の染谷絹代市長は10市町の首長からまとめ役を託され、代表してコメントすることが多い。その染谷市長も今日の立役者の1人だ。もちろん当人にそんな気はなく、きっと「地域住民の安心安全のために行動しているだけ」と言うだろう。

染谷市長で印象的なエピソードがある。2019年11月、JR東海は大井川流域10市町に面談を申し込んだが全会一致で拒否されたことを引き合いに、川勝前知事は、地元はJR東海に不信感を抱いているという印象を作り上げた。

染谷絹代市長
静岡県島田市の染谷絹代市長(記者撮影)

「JR東海は真摯に対応を」

だが、全会一致の拒否といっても、実は10市町などが参加する大井川利水関係協議会ではJR東海との交渉は県が行うことになっており、県がOKしない限り10市町とJR東海が面談することはできない。川勝前知事は県による拒否を全会一致の拒否にすり替えたのだ。

そんな状況下で染谷市長は「JR東海の説明を聞きたい」と発言し続け、2023年3月にようやくJR東海と流域市町の首長らとの意見交換会が実現した。会議後、染谷市長はJR東海の説明について「ほぼ全員が了解した」と話した。このとき了解しなかったのは県だけで、県の意向が流域市町の意向を反映したものではないことが明らかになった。

このようにJR東海にとっては力強い存在の染谷市長だが、今回、合意文書が締結されたことについては「一定の評価をしている」としつつも、「これは工事に向けてのスタートライン。JR東海には真摯に対応するようお願いしたい」と注文を付けることを忘れなかった。

リニア 水資源 合意文書 記念撮影
水資源に関する合意文書署名の後に記念撮影する、静岡県の鈴木知事、JR東海の丹羽社長、国交省の水嶋事務次官と大井川流域10市町の首長ら=2026年1月24日(記者撮影)
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