JR東海・静岡県・国交省「リニア工事で握手」の意味 着工へ大きく前進「川勝時代の対立」解消できるか
これまでの経緯について簡単に振り返ってみたい。
JR東海が進めるリニア中央新幹線の事業は、2014年10月に国が実施計画を認可し、品川―名古屋間の各地で建設が始まった。静岡県内を貫く南アルプストンネル静岡工区は2017年11月に工事契約が完了。本来なら契約完了から速やかに着工して完成させ、2027年の開業を迎えるはずだった。
しかし、県はトンネル工事による湧水が県外に流出して大井川の流量が減少し、中下流域の水利用に影響が出るおそれがあることや、南アルプスの生物多様性、トンネル発生土による環境への影響についてJR東海の説明が不十分であると考えた。
県は専門部会を設置してJR東海と議論を始め、2019年9月には「引き続き対話を要する事項」として47項目を列挙した文書をJR東海に送付。これらすべてが合意されない限り県はトンネル工事を認めないとした。
知事交代で進みだした議論
事態の打開に向け、国が調停役となって有識者会議を立ち上げ、2020年4月から47項目について議論を始めた。大井川の水資源については2021年12月、生物多様性と発生土については2023年12月に有識者会議が報告書をまとめた。これをもって国は47項目に関する議論は終了したと考えた。
だが、県の考えは違っていた。合意が得られたのは17項目にとどまり、残る30項目については引き続き協議が必要だとした。県はその30項目を28項目に整理して、専門部会でJR東海と対話を続けてきた。
2024年5月、川勝平太前知事の後を継いで鈴木康友知事が県のトップに就くと、議論がスムーズに進みだした。そして2025年6月、県の専門部会でも水資源問題での対話がすべて完了した。


















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