「30秒の超ロング"頭下げ"謝罪」「よどみなく誠実な受け答え」 藤井総長の会見は完璧だったが…逆に浮き彫りになった《東大汚職事件》のヤバさ

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今回の記者会見は、連続する収賄事件を踏まえて開催されたものだと考えられるのだが、学部の独立性、および責任の所在を考えると、総長よりも、付属病院長が出席して、謝罪と説明を行い、引責辞任の表明を行うほうが重要であったと思う。

今回、会見を開催したのは、一連の不祥事が「国際卓越研究大学」の認定に影響することを東大側が懸念したからではないかとメディアでも指摘されている。藤井総長は記者会見で否定していたが、裏側にその意識があった可能性は十分にあるだろう。

少なくとも、記者会見が東大の信頼性が揺らいでいることへの対応策であったことは間違いない。

東大総長会見
当初の予定よりも報道陣の数が多くなったため、会見は急遽、東大の安田講堂で行うことになったという(写真:今井康一撮影)

気になるのは、高額接待3件を含む、22件の倫理違反が発覚したという点だ。個々の詳細は不明ではあるが、この22件の中には、医学部以外のものも含まれるという。

国際卓越研究大学認定の基準には「ガバナンス(統治)」も含まれる。個人の不祥事、あるいは医学部の個別問題ではなく、大学全体の問題と見なされれば認定が見送られる可能性も十分にあるし、このまま東大が認定されても、激しい批判を浴びることが予想される。

22件の内容、特に3件の高額接待が、どこで、どのような形で行われたのかは非常に気になるところだ。

日本化粧品協会の「不可解な行動」

最後になるが、日本化粧品協会が、どのように高額の接待費を経費で落としていたのか。そしてなぜ、2億円弱の研究費を支払うと言っておきながら100万円しか大学側に支払わなかったのか?という点も解せない部分だ。

同協会は、内部通報を行ったり、民事訴訟を起こしたり、メディアの取材に答えたりもしている。接待は佐藤氏側から強要されたというし、よほど怒り心頭だったとは思うのだが、協会側は贈賄容疑に問われるような行為を自らしてしまっている。

東大にお金はほとんど入らなかったのに、“東大ブランド”を勝手に使われた――ということを考えると「東大は、佐藤氏と日本化粧品協会に騙された」という見方もできる。

東大ばかりに注目が集まっているが、日本化粧品協会の不可解な行動の裏に何があったのかも、気になるところではある。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞、東洋経済オンラインアワード2025」MVP賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。 日本広告学会評議員、クリエイティブ委員会副委員長。 著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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