「30秒の超ロング"頭下げ"謝罪」「よどみなく誠実な受け答え」 藤井総長の会見は完璧だったが…逆に浮き彫りになった《東大汚職事件》のヤバさ
さらに驚くべきなのが、研究費として日本化粧品協会などから2億円弱が支払われることになっていたが、実際に支払われたのは100万円にすぎなかったということだ。
記者会見では、調査チームの國廣正弁護士が共同研究管理体制のずさんさを指摘すると同時に、佐藤氏が協会に強く請求しなかったのは、高額接待を受けていたからではないかと推測している。
この点において、東大のガバナンス不全が露呈したと言えるのだが、民間企業であれば、誓約書が提出されていない、自社や自社社員が会社側の承諾なく宣伝活動に利用されている、支払われるべきお金の入金確認ができていない――といったことが起こったら、その時点で疑問に思うはずであるし、協会や佐藤氏側に再三の確認を求めるはずだ。
大学、特に国立大学は、法人化したとは言っても、営利を追求する組織ではないため、お金の管理が甘くなってしまうことはあってもおかしくないと思う。
ただ、産学連携を行う以上は、契約やお金の支払いの条件などもしっかり詰めて、監視と管理を行う必要がある。そのための組織作りが不十分であったと言えるだろう。
補足しておけば、大学教員の評価は、売り上げ実績ではなく、研究成果によって決まる。記者会見でも説明されていたように、給料の原資は大学の予算から出ており、協会側から入金がないからといって、給料が減らされるわけでもなければ、研究者としての評価が下げられるわけでもない。
一方で、高額の研究予算を獲得したところで、研究者の報酬が大幅に増えるわけでもない。多くの研究者は、「(収入が増えずとも)研究予算が増えて質の高い研究ができればよい」と考えている。
そう考えない研究者が「高額接待」という形でキックバックを受けてしまった――というのが、このたびの収賄事件の実相であったのではないか。
なぜ「東大病院院長」ではなく総長が会見?
また不可解だったのは、総長が自ら記者会見を行ったことと、その一方で、東京大学医学部附属病院の田中栄病院長(1月27日付で引責辞任)が欠席したことだ。
25年も東大で収賄事件があったが、これも同病院の医師が行ったものだ。


















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