現役脚本家が証言「『果てしなきスカーレット』は脚本作りの"反面教師"になった」…《アニー賞ノミネート》も謎?プロを驚かせた「拙さ」の正体
「キャラクターが状況を言葉で説明している割に、回りくどいしわかりにくいんですよね。そのため『もっと理解してもらえるような伝え方があったのでは?』と思いました。当然、このような課題は脚本づくりではよく発生するので、徹底的にブラッシュアップされます」
念のために補足すると、こうした疑問の一部は作中で説明される。たとえば、死者の国で人々が懸命に生きるのには、舞台となる欧州の宗教が背景にあるのだろうと推測できる。仏教的な輪廻転生がスタンダードな日本人とは異なる価値観だからこそ、懸命に生きようとしていたのだろう。
……などと、推測はできるのだが、こうしたベースとなる一定の知識を求められるため楽しむハードルが高くなっている。あくまで幅広い年齢層に向けて作られてきた細田守監督作品において、視聴者に対し事前知識を求めるのは酷ではないだろうか。
『果てしなきスカーレット』は本来“傑作”と評価されるはずだった
本作は脚本上の課題は多いものの、描こうとしているテーマ自体は明確で、評価すべき点も少なくない。だからこそ、適切に情報を取捨選択できていれば世間から「傑作だ」と評価されていた可能性が高く、筆者が話を聞いた脚本家たちからは「非常に惜しい」と思われていた。
現役の脚本家に「容赦なくフィードバックしてくれる監督や他の脚本家などの仲間・関係者に感謝したいと思った」とまで言わしめた本作。公開前には正月映画の本命として注目されていた──。
さらには、25年12月13日からは入場者プレゼントの配布を実施したにもかかわらず、26年1月時点で上映終了となる劇場もポツポツと増えてきた。
その結果、興収は約6億円と細田守監督作品としては非常に伸び悩んでおり、前作『竜とそばかすの姫』の興収が66億円だったことからも、世間からの厳しい評価がうかがえる。
続く後編では、本作『果てしなきスカーレット』が観客を「感情移入させられなかった理由」について、現役脚本家たちに解説してもらった。


















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