「年収億超えのエリートが闇落ち」 社員100人超が31億円詐取、スーパーエリートたちがなぜ?《プルデンシャル生命》が抱えた「危険すぎる構造」

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プルデンシャル生命と同一グループのジブラルタ生命保険においても、元社員が投資運用名目で15人から約5800万円の金銭を不正受領したことが、今回の件と合わせて発覚している。

このように、生保会社で類似した不祥事は過去にいくつも起こっている。生命保険のビジネスモデルそのものに、不正を生み出す構造が潜んでいると言えるだろう。

かつて事件を「個人ぐるみです」と答えた社長

加えて、プルデンシャル生命の場合は、転職者が多く、人材流動が激しいという特徴がある。だいぶ崩れてきたとはいえ、長期雇用を慣行とする日本企業においては、企業風土や組織文化が社員の行動規範になることも多かったし、上司や同僚の目が抑止力として働いていた。

不正を生みやすい環境にあるからこそ、企業側には不正を防ぐための組織づくり、不正が発覚した際の対応体制を構築すること、社員に対して職業倫理を徹底させる教育、啓発を行うことが重要だ。

それができていなかったのは、社員個人の問題だけではなく、企業体質の問題であり、経営者の怠慢でもあったと言える。

今回の事件を知ったとき、1997年に総会屋の利益供与の問題に際し、野村證券の酒巻英雄社長(当時)の国会での発言を思い出した。

「事件は、組織ぐるみではないか?」と委員に問われ、酒巻氏は「個人ぐるみです」と返し、メディアでも皮肉交じりにこの言葉が引用された。

問題を起こしたのは個人だったとしでも、その裏には、それを生み出す組織の機能不全の問題が横たわっているという構造は、当時の野村證券と類似している。

実績次第で大きな給与格差はあるとは言え、不正を働いた社員は世の中一般から見ると、「高給取りのエリート」であるはずだ。

今回の不正行為には、顧客に架空投資の話など持ちかけて金銭を受け取る、顧客から金銭を借り受けるといった行為が行われていた。お金には困っていないはずの人が、顧客から金銭を借りるような行為をしていたことは不思議にも思える。

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