"湘南乃風を向かい風に感じた"髭男爵だからたどり着いた、「仕事がデキない」と悩む人が他人の評価に潰されない思考法
なぜ、「デキる」「デキない」との評価がこれほど劣等感をかき立てるのか。
「お前はデキない」と言われたとき、全人格、存在を否定されたかのごとく叩きのめされてしまう。仕事以外の場面でも、「デキる」「デキない」という線引きがなされる。
湘南乃風を向かい風に感じた下積み時代
お笑いだけで飯を食えぬ下積み時代、先輩にかわいがられる後輩像の1つに、飲み会、いわゆる合コンのセッティングに長けているというのがあった。
社交に疎く、人脈もないし、そもそも、その手のはしゃいだ空気の宴席を敬遠している筆者には到底無理。先輩やスタッフ、関係者の要望通りに人員をそろえて「お前はデキるな!」と褒められ、「上」からの覚えがめでたくなっていく同年代の芸人たちを横目に、「俺は要領が悪い……」と落ち込み、輪に入っていけない、情けない気分にさいなまれたものである。今ならそれが何だとはねつけられるが、当時はそういう空気にあらがえなかった。
あるときは、先輩売れっ子芸人が主催する集まりのお誘いを受け、緊張しつつ芸能人御用達と名高い渋谷のカラオケ店にノコノコ出かけていった。会が始まり、先輩が歌い出すや、隣に座っていた同世代の芸人が立ち上がる。
普段の落ち着いた芸風からは想像もつかぬ、どちらかといえば筆者と同類と見なしていた男が、先輩の歌唱にノリノリで合いの手を入れ、タンバリンを打ち鳴らしと大活躍。見れば、全員、ヒューヒューと奇声をあげ盛り上がっているではないか。
(コイツもデキるのか……)
(俺には無理だ……)
あの夜ほど、湘南乃風を向かい風に感じたことはない。


















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