河合塾が2つめとなる高校を開校、《探究・通信制・全寮制》国内外の地域拠点に滞在しながら学ぶ「ドルトンX学園」つくる訳

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…前例のない予測不能な社会で、子どもたちに求められるのは、『能動的・主体的に課題と向き合い、他者と協働しながら解決していく力』です。パーカストが提唱した「学習者中心教育」は、主体的に学び、探究・挑戦し続ける姿勢を育む教育です。多様性を理解し、社会に貢献する志をもって、恐れることなく積極的に新しい価値を創造する意志をもたらす教育です。…
出所:ドルトン東京学園のホームページ

実は、河合塾グループとドルトンプランの関係は古い。ヘレン・パーカストによって1919年に創立されたニューヨークのドルトンスクールと提携し、1976年に東京ドルトンスクールを、1982年には名古屋に河合塾ドルトンスクールを開校している。幼児教育主体だが、小学生が放課後に通うアフタースクールのコースもある。

河合塾グループとドルトンプランが結びついた経緯を、「先々代の理事長になる私の祖父がニューヨークのドルトンスクールを訪問し、ドルトンプランに共感したのがきっかけだったと聞いています」と河合氏は言う。

彼自身も、河合塾グループのドルトンスクールで幼児期を過ごしている。そうした歴史があったうえで、「新しい教育のかたちをドルトンプランで実現できるのではないかと考えた」と、河合氏はつづける。

それに対し、少子化に加えて入試傾向の変化もあり、予備校ビジネスの将来にかげりが見えてきているのを「新しい教育」で補おうとしているのか、と勘ぐりたくもなってしまう。それに、河合氏は笑って答えた。

「少子化が進行する中で、予備校ビジネスは拡大していく傾向にはありませんが、河合塾はシェアを伸ばしています。家庭におけるお子さんの数が減り、1人にかける教育費は上がってきています。なので、予備校ビジネスが崩壊するとは考えていないし、そういう状況でもありません。河合塾グループが学校をやるのは、予備校ビジネスの売上をカバーするためではなく、あくまで『新しい教育のスタイル』に挑戦することが目的です」

2027年春に開校予定のドルトンX学園は、先に開校したドルトン東京学園とは学校教育法第1条に定められた学校(1条校)であることは同じだ。

「新しい教育」を目指すのなら、より文科省の縛りが緩いフリースクールとかオルタナティブスクールとして開校する選択肢もあったはずである。「1条校としてやらないほうが自分たちのやりたい教育をやれる可能性がある、という意見も内部ではありました」と言って、1条校を選んだ理由を河合氏は次のように説明した。

「1条校になれば補助金が出ますから、その分だけ授業料を下げられるというメリットがあります。もう1つには、1条校であっても、ここまで尖った教育ができるということを世に問うてみたかったのです」

ドルトンX学園ホームページ
すでにウェブに学校ホームページが開設されている(写真:ドルトンX学園ホームページ

ドルトン東京学園と、ドルトンX学園の違い

ドルトン東京学園とドルトンX学園では大きく違うところもある。前者は全日制だが、後者は広域通信制なのだ。といっても、今人気を集めている広域通信制とはイメージが大分異なる。

「ドルトンX学園は滞在型で、日本全国から海外まで生徒が散らばって学びます。そういう学び方は、出席日数とかの問題で全日制では難しくなります。広域通信制では学ぶ場所に縛られないことが、それを選んだ大きな理由でもあります」

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