中高の探究学習で「大学の先生たち」が疲れている…なぜ?誰が悪い?"生徒、中高教員、大学の教員・研究者"の生の声に見る課題の本質
まずここでいう「探究活動とは何か」であるが、日本には、全国小中高どこの学校でも一定の水準が保てるように文部科学省が定めている教育課程の基準「学習指導要領」があり、およそ10年に一度改訂される。
現行の学習指導要領は、20年以降順次導入されており、小学校では6年目、高校では4年目となる。この学習指導要領で「探究」という言葉が多く使われるようになった。
特に高校学習指導要領では探究の過程を重視した「総合的な探究の時間」が新たに設定され、「理数探究」「地理探究」「世界史探究」などの科目にも「探究」という言葉がつくこととなった。
現在、次期学習指導要領の議論が進んでいるが「質の高い探究的な学びの実現」は重要項目として掲げられている。
また、文科省は00年代後半以降、「高大接続改革」を柱として大学入試改革を推進してきた。20年度には、大学入試センター試験が廃止され、大学入学共通テストが開始。21年度には、入試区分の制度整理がなされ、1)総合型選抜、2)学校推薦型選抜、3)一般選抜 が3つの選抜区分として公式に位置付けられた。
実際にこの数年でペーパーテスト(一般選抜)が減少し、志望理由書、小論文、面接、プレゼンテーションなどを通じて 学力以外の資質・能力・意欲を評価する総合型選抜や学校推薦型選抜が増えているという肌感覚を持っている人たちも多いだろう。
「大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究」(25年2月)によると、24年度入試において、四年制大学全体の選抜方式ごとの割合では、一般選抜は47.1%と半分以下、学校推薦型選抜が30.7%、総合型選抜は22.2%との結果が示されている。

総合型で選抜される高校生の割合は増加傾向にあり、方式別に見れば全国で4分の1に迫りつつある。最近、やたらと中高校生から「探究活動で〇〇について調べています」というタイプの問い合わせが増えている問題にはこうした背景がある。
高校の現場で起きていること「生徒は困っている」
筆者は、現行の学習指導要領が導入される以前の13年より「探究する学び」の普及活動を行っており、全国の教育者への研修を実施している。
仕事柄、日常的に全国の小中高の教員、高校生や大学生と接することもあって、この記事の依頼があってから何人かに話を聞いてみた。そこでまず浮き上がってきたのは、高校生の葛藤である。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら