『ズートピア2』が"洋画アニメ歴代最速"で「興収100億円超え」の背景 『アナ雪』超えペースで"ディズニー復活の狼煙"となるか

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同時に、誰もが幸せに生きるズートピアの裏側の秘密に迫るストーリー展開が、大人も引きつける。動物たちの明るい世界と、その過去の暗い出来事の対比が、物語に深みを与えていた。

大人たちがそこで見るのは、前作にも通じる現実社会の投影だろう。権力者の裏の顔や過去の出来事の隠蔽、仲間の裏切りなど、観客誰もがそれぞれの人生を振り返ったときに共感があるかもしれない。

そして、その物語の世界が掲げるのは、社会の同質性を否定した異質性の担保こそ真の平和につながるという深いテーマだ。その物語性こそが大人にとってのおもしろさにつながっているのだろう。

ズートピア2
(写真:『ズートピア2』(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.)

そんな側面がありつつ、物語が全面に打ち出すのは、ジュディのせりふに象徴される、ディズニーらしいまっすぐなメッセージだ。

「世界を良くしたいなら、誰かが勇気を出さないといけない」

「ヒーローになっても世の中には変えられないこともある」

ジュディとニックの姿から、子どもたちに向けて、仲間との絆の大切さや素直に生きることの意義を伝えるのと同時に、現実社会のリアルもしっかりとにじませる。

笑って楽しめるファミリームービーのなかの現実社会に通じるメッセージ性こそ本作のおもしろさであり、それが子どもから大人まで幅広い世代を楽しませているのだろう。

年代を超えて共感できるポイントがあり、心に響くメッセージがある作品になっている。

ディズニー・エコシステムのこれからの課題

コロナ後の苦境からようやく本格的な復興の狼煙を上げたディズニー。26年は、ヒット規模の拡大が期待される作品が並ぶことから、さらなる躍進が期待される。

それが、日本をはじめ世界中で愛されるキャラクター・モアナが実写化される実写版『モアナと伝説の海』や、『トイ・ストーリー』シリーズ最新作『トイ・ストーリー5』など。

とくに後者は、子どものおもちゃがタブレットPCやAIアプリになった時代に、かつての子ども玩具の主役だった人形のウッディとバズがどのような存在意義を投げかけるのか、ディズニーのメッセージに注目が集まりそうだ。

ズートピア2
(写真:『ズートピア2』(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.)

今回の『ズートピア2』の大ヒットは、長い期間を置いたシリーズ続編のヒット創出のエコシステムの確立を示した。しかし、シリーズ続編だけでなく、それをあらゆるタイプの作品に機能させるのが、本来の目的だろう。それを見極めるのはこれからだ。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Yasuyuki Takei

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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