東大生に聞いた入試の「緊張との向き合い方」4選 《最後に差がつくのは、本番で"普段の力"を発揮できたか》本番前ルーティンの具体例を紹介

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想定外をゼロにすることはできません。ただ、「起きても大丈夫」という準備があるだけで、人は驚くほど立て直せます。

方法4. ミスをしても引きずらない考え方を確立しておく

試験で一番恐ろしいことは、ミスをした科目が次の科目の足を引っ張ってしまうことです。

Nさんは当日、「終わった試験のことは考えない」と強く意識していたと言います。実際の東大入試でも理科で大きな失敗をしたものの、次の英語では「やるしかない」と気持ちを切り替えて問題と向き合えたことが、合格につながったと振り返ります。

Tさんも、本番に至るまでに「ミスを引きずらない心構え」を自分の中で作っていました。

点数を気にするのではなく、『ベストを尽くす』ことに集中しました。『ベストを尽くしたうえで、結果的に導かれる学校が、私が行くべき道である』と考えていました」(Tさん)

緊張しやすい性格だと自覚していたからこそ、結果への思考を意識的に切り離し、「今できること」に集中する。ここには、直前期の受験生がそのまま真似できるヒントが詰まっていると感じます。

直前期に、学力を大きく伸ばすことは難しい。けれど、普段の力を十全に発揮できる状態で本番を迎えることは、まだ十分に可能です。入試は残酷なほど僅差で運命が分かれます。だからこそ、緊張対策は気休めではなく、立派な戦略になります。

私の周りの東大合格者を見ても、本番にまったく緊張しなかった人も、何のミスもしなかった人も、ほとんどいません。それでも合格していくのは、緊張があっても崩れず、ミスがあっても立て直し、最後まで「普段の自分」に近い状態で走り切った人たちです。

実力は、もう積み上げてきたはずです。あとは、それを本番で出すだけ。そのための準備は、今からでもまだ間に合います。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
神田 直樹 Overfocus代表

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かんだ なおき / Naoki Kanda

1998年生まれ。中学生のときに東大を目指すことを決め、定時制高校にも塾にも通わず、通信制のNHK学園を経て、独学で2018年東京大学文科Ⅰ類合格。東京大学法学部を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、“東大生がつくる国語に特化した個別指導”「ヨミサマ。」を立ち上げる。著書に自分自身の独学ノウハウを詰め込んだ『成績アップは「国語」で決まる!』がある(X:@Kanda_Overfocus)

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