くわえるだけで歯磨きが完了するロボット歯ブラシ製品化へ。最短1分、手を動かさずに歯垢の7〜8割を除去
放課後デイサービスとの連携も進んでいる。発達特性のある子どもが、準備から片付けまでの一連の流れを通じて歯磨きを習慣化し、自立支援につなげる取り組みだ。神奈川県の「ロボット導入支援補助金」の対象製品にも選定されている。
30年に100万台を目指す
栄田氏は今後の目標について、30年に100万台、直近3年で5万台の販売を掲げた。
「掃除ロボットといえばルンバ、というように、ロボット歯ブラシといえばジェンという存在を目指したい」
クラウドファンディング終了後は歯科などでの一般販売を拡大する。26年中には量販店での販売開始も予定している。電動歯ブラシと同様に「雑貨」カテゴリとして扱われるため、医療機器としての規制を受けずに展開できる。
27年頃には次世代モデルの投入も視野に入れる。スマートフォンと連携し、家族それぞれの磨き方を記憶させて、使う人に合わせた動きを自動で選択できるようにする構想だ。防水対応も進め、お風呂に入りながら歯磨きを完結できる製品を目指すという。将来的には海外展開も目指す。製品名を「ジェン」としたのも、海外で発音しやすいことを考慮した結果だ。
仮屋院長は「電動歯ブラシにとって代わるのは難しいかもしれないが、そこに近いものになっていただきたい」と期待を込めた。
研究開始から10年、「特別な人のための特別な製品」から「誰もが選べる選択肢のひとつ」への転換を、栄田氏は目指している。ロボット技術で歯磨きを変えるという問いへの答えが、いよいよ市場に問われる。
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