東急電鉄が取り組むO2Oによる街づくり(後編)《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》

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しかし、屋内の商業施設などでは、屋内位置情報や、フロアマップを活用するための技術的なハードルが高く、アプリ開発がなかなか進まなかった。

その問題を解決するのが、このプラットフォームというわけだ。

プラットフォームには、設備情報、店舗情報、施設のフロアマップ、施設内ナビゲーションといったコンテンツが用意される。各コンテンツは、「Wi-Fi」や「QRコード」などの測位環境を利用して取得した位置情報や時間情報と連動している。屋内GPSとも呼ばれる屋内測位技術「IMES」にも対応する。IMESは、GPSの電波が届かない屋内で、専用の通信機器を設置し、精度の高い位置計測を実現する。

現在、プラットフォーム上では、約30のアプリ事業者が、「屋内位置情報アプリ」の開発を進めている。アプリ事業者は、自社でフロアマップやナビゲーションを作らなくても、国際航業の提供するコンテンツを利用して比較的簡単に屋内位置情報アプリを開発できる。

「二子玉川の街中や屋内で利用するアプリが増えると来客者の楽しみが広がる」とプラットフォームを提供する国際航業・企画部事業開発グループの田端謙一氏は利点を語る。

防災や地震などの非常時に役立つ情報、屋内の避難経路や周辺の避難所、従業員向け防災マニュアルなども、プラットフォームのコンテンツとして提供している。

非常時に、スマートフォンのアプリやデジタルサイネージからアクセスして情報を確認できる。

「イマだけ・ココだけ・アナタだけ」のO2Oサービスを提供するためには、従来よりも高度なデータ解析が必要だ。

位置情報を利用したO2Oサービスの多くは、利用者の「属性情報」と「位置情報」に基づいて付近のおすすめ店舗を配信する。しかし、「イマだけ・ココだけ・アナタだけ」のサービスでは、これらの情報だけでは不十分。

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