「子どものため」が仕事を無限に増やす…進路業務から始める「脱自前主義」のススメ 《教員が手放せば生徒の成長チャンスに》

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面接の時だけ普段の姿を封印してしまう子もいる。なので、私は「劇団のオーディションじゃないから、演じないで」と言い続けていた。そしてあなたを語ろうよ。あなたのよさが伝わるよ、ユニークだね、とてもいい経験をしたね」などと語りながら生徒に向き合ってきた。

すると「校長先生の面接は面白いからまたやってもらいに来ました」という子もいた。

コミュニティ・スクール化してからは、彼らの面接練習を学校運営協議会の委員が担うようになった。会社経営している方もいるし、パート先でアルバイトの面接担当をしている方もいる。

中学生にとって学校の先生以外の大人とやり取りするのは緊張感もあるが、褒めてくれる、励ましてくれる、そんな大人たちに触れると自信もつく。面接練習の時間は担任や副担任は調査書作成など本来の仕事をしてもらう。

自前主義を手放そう

高校受験の準備だけでも、学校にはまだまだ細かくてたくさんの仕事がある。でも「やってあげなくちゃ」をちょっと立ち止まり、見直そう。作業や指導に追われるより、中学生の不安や迷いにじっくり耳を傾けたり、励ましたり、他愛のない雑談で笑ったりできるのが先生じゃない? と。

それぞれの学校が作らなくてもいい資料、アウトソーシングできること、廃止してしまってもいいもの(アップデートされていない面接試験の手引きや想定問答集なんかはなくしちゃっていいかもしれないと筆者は考えます)を皆で考えてみてはどうか。

中学生は、これからの人生たくさんのペーパーワークがあるけれど、自分でやることは学びになるはず。

外は寒いけど、こういう季節は星空がきれい。受験生も先生方も深呼吸できる環境でありますように。

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森 万喜子 青森県教育改革有識者会議副議長、文部科学省CSマイスター、元北海道公立中学校長

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もり まきこ / Makiko Mori

校長在任中に、シンプルに本質を問う学校改善に取り組む。前例踏襲や同調圧力を嫌い、「ブルドーザーマキコ」というニックネームで呼ばれる。雑誌、新聞等に執筆活動、全国で講演活動や、地方教育行政へアドバイザーとしても活動を行っている。著書に『「子どもが主語」の学校へようこそ!』(教育開発研究所)。北海道小樽市在住。

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